韓国の無機化学メーカーであるPAIK KWANG INDUSTRIALは、Samsung Electronicsと共同で、半導体製造で用いられる高純度塩化水素水(塩酸:HCl)の国産化を進めている模様であると韓国の複数のメディアが報じている。
すでに量産ラインで使用するための品質評価が進められているとのことで、早ければ2021年上半期中にも認証されるかどうかが決定される予定であるという。ただし、PAIK KWANGからもSamsungからも本件について何も発表されていない。
高純度HClは、半導体ウェハのウエットエッチングや洗浄(金属汚染除去)に広く使われている液で、酸化性薬液である。高性能なシステムLSIの生産の増加に併せて使用量が増えているおり、韓国では、その約8割をSamsungが消費しているという。
韓国メディアによると、高純度HClの市場は、日本の化学メーカー東亞合成とドイツのLindeがほぼ寡占しており、韓国メーカーもこの2社にほぼ依存していたが、日本の韓国に対する輸出管理の厳格化を契機に、国内での独自開発に動いたとみられるという。
なお韓国では、シリコンウェハ洗浄の標準液であるアンモニア、過酸化水素水、フッ酸などがすでに国産化しており、塩酸も国産化できれば、ほぼすべての洗浄用薬液を韓国内で調達できるようになる。