NTTドコモ(ドコモ)と鯖やグループは3月8日、両社が2020年11月より実施しているICTを活用した新たなサバ養殖モデルの確立を目的とした、フィッシュ・バイオテックの養殖漁場での実証実験において、非接触でのサバの平均魚体長測定に成功したと発表した。

  • 魚体長測定イメージ

養殖魚生産管理における魚体長および魚体重測定に関して、今までは漁業者がタモ網で生け簀から養殖魚を数匹取り出し、それを一匹ずつ計測器で測定していたという。しかし、物理的な接触により養殖魚がへい死したり、サンプルで抽出した養殖魚の成長にバラツキがあるため、正確な成長過程を把握できないという課題があったとのこと。

そこで両社は2020年11月から、アクアフュージョンが保有する超音波式水中可視化技術を活用し、非接触でサバの魚体長測定の検証を行ってきたところ、生簀内を泳ぐサバの魚体長の平均値を精度良く測定することに成功した。

これにより、魚体長測定の作業が効率化され、物理的な接触による養殖魚のへい死を防ぐことが可能となるほか、正確な成長過程を把握することにより、水質データなどと組み合わせることで給餌量の最適化や出荷時期のコントロールが可能になるという。

フィッシュ・バイオテックは、3月8日より期間限定で、同実験対象でもあるドコモのICT技術を活用して育てた養殖サバを「うめぇとろサバ」というブランド名で出荷する。

  • 「うめぇとろサバ」

なお、同実証実験では、サバのへい死リスクが高くなる高水温時の対応ノウハウの蓄積、生け簀内の水質データや作業日誌などのデータを一元管理できるドコモの「養殖管理クラウド」の機能及びユーザインタフェースの向上、水温と流向・流速を数日先まで1時間ごとにアニメーションでスマートフォンに表示する「海況シミュレーション」を活用することの有効性などの成果も確認することができたという。

今後両社は、さらなるサバ養殖の生産効率向上をめざして、引き続き検証を進め、ICTを活用した新たな養殖モデルの商用化を目指す方針だ。