リコーは3月8日、現実空間に全方位映像を映し出すことができる投影装置を開発したことを発表した。
同装置は、真下から上に向けて光を投射し、独自開発の特殊な回転スクリーンに当たった光の残像で立体化させた映像を表示させるもの。これにより、特殊な眼鏡や専用のヘッドセットがなくても、全方位から裸眼で立体映像を見ることが可能だという。
実用化に向けて開発を進めており、現時点では人の頭のサイズ(直径200mm、高さ 250mm)で立体映像のカラー動画表示を実現しているという。
リコーはこの投影技術による立体映像の認知度拡大と市場性の検証をするため、まずはデジタルサイネージ用途で、2021年3月から「WARPE」ブランドとしてビジネスパートナーを募り、市場探索を開始。2021年度中に試作機による実証実験や試験的な稼働を始め、2022年度中の実用化を目指すという。
将来的には、立体映像によるリモート会議や立体構造物のシミュレーション やモデリング支援、教育分野における立体構造把握支援、エンターテインメント、家庭用バーチャルアシスタントなど、幅広い用途でデジタルコンテンツを使ったコミュニケーションの高度化に貢献するとしている。