市場調査およびマーケティング会社の富士経済は、画像処理システム市場の調査結果を調査レポートとして発行した。
それによると、半導体関連では、ウェハ外観検査装置が調査対象として取り上げられており(ウェハ上の回路パターンの画像比較ができるパターン付きウェハ検査、ならびに回転するウェハにレーザーを照射し、発生する散乱光から欠陥を検出するパターン無しウェハ検査で、これらに対応できるウェハ外観検査装置すべてを調査対象としている)。それによると、2020年のウェハ外観検査装置市場は、前年比10%増の3750億円規模と推定された。
2019年は、アジアを中心に5G通信関連や半導体メモリでの需要が回復。2020年も、設備投資が活発に進められたことから市場が拡大したという。今後も半導体需要の増加に併せて市場の拡大が続くことが期待されており、2023年には2019年比82.1%増の6210億円規模にまで成長すると予測している。
FPDパネル外観検査装置市場は縮小傾向
富士経済の今回の調査対象には、FPDパネル外観検査装置も含まれている。それによると、同市場は、2018年をピークに縮小傾向にあり、2020年の市場規模は前年比4割減の193億円と推定されている。その後も下落が続き、2022年には102億円程度まで下落すると予測している 。
2018年以降、FPDメーカーの設備投資が進んでいないことが要因となっており、参入メーカーも売り上げを確保できても収益性が課題となっており、事業を撤退する動きも出てきているという。
2021年以降も米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症といった外的要因が重なることから、市場全体として見た場合は厳しい状況が続くことが予想されるが、有機ELの量産に向けた試作ラインやマイクロLEDディスプレイの需要の増加が期待され、中でも2022年以降はモバイル向け有機ELの需要の高まりが期待できるとしている。
また、国別で見た場合は、中国市場が圧倒的な規模を有している一方で、韓国は縮小傾向で、日本も年間数台程度しか売れない弱小市場という状態となっている(アジア以外の米国や欧州の市場規模はゼロ)。