ITmediaは、ものづくりをテーマにしたバーチャルイベント「ITmedlia Virtual EXPO 2021 春」を2月16日からWeb上で開始した。期間は3月19日まで。
今回のITmedia Virtual EXPOは、「メカ設計」「スマートファクトリー」「組み込み開発&エレクトロニクス・AI」「Building × IT」「リテール&ロジスティクス サプライチェーン」という5つのEXPOに加え、製造業のスタートアップに焦点を当てる「モノづくり × スタートアップ EXPO」を新設。計9つのEXPOに96社の企業が出展し、基調講演も実施している。
AI・画像認識ソリューションで会議室の利用を効率化
「組み込み開発&エレクトロニクス・AI」には、システム開発を展開するSkyが出展。同社は、「AI・画像認識ソリューション」、「IoTソリューション」、「開発効率化ソリューション」、「品質向上ソリューション」、「UI/UXデザイン」の5つの展示コーナーを設けている。
「AI・画像認識ソリューション」では、自動車や建機の車載カメラ画像より人、車、物、白線、標識、看板や位置関係、速度などを検出するシステムや医療の画像診断支援システムのほか、機械や装置に取り付けたカメラやセンサーから取得したデータを分析し、正常範囲を超えた場合に異常を検知するシステム、会議室に設置したネットワークカメラの映像から、会議室が予約通りに利用されているかをチェックするシステムなどを紹介。
AI・画像認識ソリューションでは、カウントラインを設定することで、人の流量や方向を把握することが可能で、その情報を集計することで、人や設備の配置の検討に活用できるという。
例えば、通行人の顔の向きや視線を検出し、広告を視聴しているかを判断したり、会議室の使用率改善に利用できるという。
企業においては、会議室がいっぱいでなかなか予約が取れないといった不満がある一方、予約された会議室が実際には利用されていないというケースも目立つ。同社ではこの課題に向け、画像認識処置により会議室の使用率改善システムを開発し、自社で利用している。このシステムでは、会議時刻になっても未使用の場合は、会議室の予約を自動通知する。同社によれば、このシステムは、カメラを使用しなくても、人感センサーを用いることで構築可能だという。
また、AI・画像認識ソリューションでは、人の姿勢から「倒れた」ということを検知。駅のホームや病院での監視に利用できるという。
そのほか、同社では背景除去技術により動く動物を検出したり、顔認証による入退室管理や人物の探索ができるという。さらに、画像認識処理では製造現場での傷やラベルズレ、くぼみやゆがみの検出にも利用できるという。
画像解析で計測機器の値をデジタル化
IoTソリューションでは、通常、目視で計測している計器類の集計を、機器を撮影することで、計測結果を集計できるソリューションを紹介している。
このシステムは作業者が機器のメーターをスマートフォンで撮影。その画像をQRコードに変換し、それを管理側で読み取り、値や撮影位置、計測者を自動表示する。ただ、Wi-Fiなどがあれば、スマートフォンから直接データを送信できる。
画像から値を読み取る方法は、まず2値化し、角度などを算出してから数値化する。複数のメーターが並んでいる場合でも、一度の撮影で複数の計器を数値化できるという。