Samsung Electronicsが、世界的な需要の拡大が続く半導体に対する顧客からの要求に対応することを目的に、2021年の半導体設備投資計画を前倒しで進める動きを見せていると韓国メディアが報じている。
それによると、Samsungは2021年第1四半期に予定していたDRAMの製造を担当している韓国平沢の第2製造ライン(P2ライン)に対する生産能力の拡充計画を当初の月産3万枚から4万枚規模に引き上げた模様だという。これにより、平沢事業所のDRAM生産能力は月産7万枚に引き上げられることとなる。また、この4万枚という規模は、同社の年間計画の約60%に相当する規模で、年間の投資予定額の大部分を第1四半期に投入することとなる。
さらに、Samsungはファウンドリの生産能力の拡充も図っており、平沢事業所の5nmプロセス対応工場の生産規模も従来の月産2万8000枚から4万3000枚へと引き上げようともしているという。これは、DRAM向けに導入する予定であったEUV露光装置をロジック向けに振り向ける形で対応する見通しで、急増する5nmプロセスに対する需要に対応する意味合いが強いという。
このほか、現在、中国の西安第2工場で進められている第6世代V-NANDの生産能力を当初計画の月産5万枚から最大8万枚規模に引き上げる投資も行う予定だという。
なお、半導体装置業界関係者によると、Samsungに装置を納入している各社は、この追加注文にこたえるために現在、フル稼働で装置の手配を進める状態となっているという。