米BAEシステムズは3月2日(現地時間)、米空軍向けF-15 EPAWSS(イーグル受動/能動警戒生存システム)の低率初期生産(LRIP)において、米ボーイング社より5,800万米ドル(約60億円)の契約を受注したと発表した。

EPAWSS は、F-15EX と F-15E 戦闘機を守る高度な航空機保護と状況認識システム。電磁エネルギーを収集して処理し、瞬時に360度の空中視野をとらえ、戦闘現場の総合的な画像を提供する。これにより、パイロットは状況認識能力を最大限に高め、潜在的な脅威の特定、監視、分析、迅速な対応が可能になる。

また、EPAWSSは全デジタル式となっており、複数波長センサーと電力妨害、先進的な信号処理、マイクロエレクトロニクス、完全統合型レーダー警報、条件認識、地理位置情報、自己防衛機能等を組み合わせた高度な機能を提供できるインテリジェントなアルゴリズムを備えている。そのため、パイロットは空中での戦闘場面において脅威をモニターし、電力妨害や欺瞞妨害が可能だという。

BAEシステムズは同プログラムの技術製造実証(EMD)期間を通じて、最新の地理位置情報や脅威特定能力といった差分アップデートをEPAWSS飛行ソフトウェアに加えてきた。その結果、地上および飛行試験においても、米空軍統合実証・応用研究所(IDAL)で高密信号環境下で行われたHiTL試験においても、継続的にシステム性能の向上を見ることができたとしている。