住友商事は3月2日、量子技術を活用した事業高度化、新事業創出を目指し「QXプロジェクト」(Quantum Transformation Project:クオンタムトランスフォーメーションプロジェクト)を発足させた。

  • 「QXプロジェクト」の公式サイト

その一環として、イスラエルのコーポレート・ベンチャー・キャピタルであるIN Ventureを通じ、量子コンピューティング活用に不可欠なソフトウェアのプログラミングを効率化する製品を開発するClassiqに出資した。

同社は量子技術の成熟を見込み、さまざまな取り組みを進めている。2020年6月には、通販物流事業を行うグループ会社のベルメゾンロジスコで量子コンピューティングを用いた人材配置最適化実証を行った。これにより、約30%の効率化(全体作業時間の低減)が示唆され、事業実装に向けた検討が進んでいるという。

また、QXプロジェクトの取り組みとして、量子技術の社会実装領域における専門人材の採用に加え、東北大学大学院情報科学研究科と共同研究契約を、慶應義塾先端科学技術研究センターと応用探索パートナー業務委託契約を締結した。

クラシックは、ゲート型量子コンピューター向けソフトウェアの開発を容易にする技術を提供するイスラエルのスタートアップ。住友商事は、クラシックの技術開発に向けた実証実験をサポートし、将来的にはさまざまな事業領域において量子技術の現場活用を目指す。