3月1日(米国時間)、「Release fish 3.2.0 (released March 1, 2021) · fish-shell/fish-shell · GitHub」において、インタラクティブシェルfishの最新版となる「fish 3.2.0」の公開が伝えられた。このバージョンはさまざまな改善や新機能の追加、補完データのアップデートなどが行われている。

fish 3.2.0の注目の新機能は次のとおり。

  • コマンドラインエディタおよびページャ検索にアンドゥ機能およびリドゥ機能を追加。デフォルトではアンドゥはCtrl-zへ、リドゥはAlt-/に割り当てられている。
  • 組み込みコマンドをパイプラインで接続して使用した場合、これまではすべてのデータを標準入力で得てから処理が行われていたが、fish 3.2.0からは標準入力から読み込んでいる途中で組み込みコマンドが動作するように変更。
  • ターミナルの幅よりもプロンプトの幅のほうが大きかった場合、プロンプトの一部を省略して短くして出力するように変更。
  • これまでTabキーを2度押して機能していた補完機能について、Tabキー1回で曖昧に補完できるように変更。
  • PATH環境変数に重複なしでパスを追加するfish_add_pathヘルパー関数を導入。
  • test組み込みコマンドのエラーメッセージを改善。
  • stringを予約語に変更(関数による上書きができなくなった)。
  • グロブおよびエクステンションを512288個へ限定することでハングを回避。
  • bashとfishの違いを説明した新しいドキュメント「fish for bash users」を制作。
  • インデックス範囲の指定を省略できるように変更。

fish 3.2.0にはこのほかにも多くの改善が取り込まれている。

  • Release  fish 3.2.0 (released March 1、2021) · fish-shell/fish-shell · GitHub

    Release fish 3.2.0 (released March 1, 2021) · fish-shell/fish-shell · GitHub

fishは多機能なインタラクティブシェルのひとつ。macOSやLinux、*BSDといったUNIX系のオペレーティングシステムで使用することができる。インタラクティブシェルとしては比較的後発で、設定ファイルをカスタマイズすることなく最初から賢い補完機能やインタラクティブ機能を使用できるという特徴がある。