TSMCが、Appleをはじめとする多数のクライアントからの強い需要を満たすために5nmプロセスの生産能力を2021年下期に月産12万枚(300mmウェハ)にまで引き上げる見通しであると台湾Digitimesが報じている。

同紙によれば、台湾の半導体業界筋の情報として、TSMCの5nmプロセスの生産能力は2020年第4四半期で月産9万枚であったものが、2021年上半期に10万5000枚へと拡大する準備がすでに整っており、さらに下半期には12万枚まで拡大するものとみられるとしている。

また、併せてMediaTekが、5Gスマートフォン(スマホ)向けアプリケーションプロセッサの出荷数量を増やすことを目的に、TSMCより7nmおよび6nmプロセスでの多くの生産数量の割り当てを得た模様であるとも伝えている。

なお、TSMCの300mmならびに200mmウェハ製造ラインは、いずれもフル操業状態が続いており、顧客各社ともに新たな生産数量の割り当てのための交渉が激化しているという。現在、世界の自動車メーカーの工場が半導体不足で操業を停止する状況となっているが、その生産数量の割り当ても例外ではなく、車載半導体需要が急落した2020年春以降、自動車以外の用途で埋められているのが現状であり、簡単に車載半導体の数量だけを増やす、といったわけにはいかない模様である。