SK Hynixは、次世代DRAMへのEUV露光装置適用に向け、製造元であるASMLとの間に2025年12月までの5年間で総額4兆7549億ウォン(約4500億円)を支払う契約を行うことを2月24日付で開催された同社取締役会で議決したと韓国の複数のメディアが報じている。
最先端のEUV露光装置は1台当たり約200億円程度と見られており、今回の契約額は20台を超す程度の数を購入する規模となる(支払い額には設置費用なども含まれているという)。
すでにSK Hynix は、2021年2月1日に開所式を行った新DRAM製造棟「M16(延べ床面積5万7000m2)」に同社として初めてとなる量産用EUV露光装置の据え付け工事を行っており、2021年下半期より10nm級プロセスの第4世代となる1a-nmプロセスを採用したDRAMの生産に適用する予定としている。
具体的には、Viaホール形成にEUVを活用することで、浸漬ArF露光を用いた複数回のパターニングに比べて製造コストを20%削減できるとの試算結果を発表している。
SK Hynixに先駆け、Samsung Electronicsも2021年より、先端DRAM製造にEUVを導入するとしており、ロジックではTSMCとSamsungが、DRAMではSK HynixとSamsungがそれぞれEUVを活用した微細化競争を繰り広げることとなるが、EUV露光装置に対する需要が増加する一方でASMLの生産能力には限界もあることから、装置購入に向け、各社がしのぎを削ることが予想される。そのためSK Hynixは先手を打つ形で長期契約を締結することで、台数の確保を図ったようである。