東京商工リサーチは2月17日、2020年度(4-1月)「すし店の倒産動向」(負債1,000万円以上)の調査結果を公開した。2020年4月から1月までの10カ月間で28件(前年度同期比64.7%増)発生、前年同期の1.6倍増と高水準で推移しており、2月には2015年度以来、5年ぶりに30件台に乗せる可能性が高いという。
すし店は、高級店からリーズナブルな回転寿司まで客層を広げ、さらにインバウンド需要の高まりで、好調に推移していた。倒産も2019年度まで4年連続で減少したが、2020年度に入り新型コロナ感染拡大で一変。インバウンド需要の消失に加え、飲食店への休業・時短要請や外出自粛、企業の接待自粛や在宅勤務の広がりなどで市場が縮小した。
倒産の原因は、販売不振が27件で最多となっている(構成比96.4%、前年同期14件)。資本金1,000万円未満が25件(同89.2%、同14件)、負債1億円未満が26件(同92.8%、同14件)、従業員10人未満が26件(同92.8%、同17件)と小・零細企業が9割を占めている。
大手すし店では、テイクアウトや独自の感染防止対策などで来店客の落ち込み対策を進めているが、資金力が脆弱な小・零細規模では新たな投資や対策も容易ではない。