2020年の10月にAI利活用構想「HAICoLab」を策定し、"人とAIとの協奏"を目指す横浜ゴムは、AIを活用したゴムの配合物値予測システムのタイヤ用ゴムでの実用開始を発表した。

システムは、人がゴム配合設計のパラメーターを入力するとAIが配合物性値を出力するもので、予測結果を判断するための"確からしさ"の表示、目標とする配合物性値に近しい配合を探索する機能なども搭載している。同社は昨年10月にひらめきや発想力など人が得意とする分野と、膨大なデータ処理能力を持つAIとの協奏を掲げるAI利活用構想「HAICoLab」を策定(ニュースリリース)、構想に基づき12月に開発したシステムは既にタイヤ用ゴムの設計で実用フェーズに入っている。

  • 「HAICoLab」の概念図(同社資料より)

    「HAICoLab」の概念図(同社資料より)

ゴム材料開発におけるマテリアルズインフォマティクスやタイヤ設計開発プロセスなど、これまでもAI活用を進めてきた同社。新たなAIでは、仮想実験による開発スピードアップやコスト削減に加え、経験の浅い技術者による配合設計が容易になることを述べている。また、今後はホースやコンベヤベルトなどタイヤ以外のゴム商品開発全般での利用を開始する構えだ。