Microsoftは2021年2月9日(米国時間)、公式ブログのエントリ「Simplifying on-premises deployment of servicing stack updates - Microsoft Tech Community」を更新し、Windowsのアップデート方式を今後数カ月以内に新たな複合パッケージ形式に切り替える計画だと発表した。そして、この新たな複合パッケージ形式を導入するための前提として、2021年2月のSSU(Service Stack Update: サービスタック更新)を広く適用することを呼びかけている。

  • Simplifying on-premises deployment of servicing stack updates

    Simplifying on-premises deployment of servicing stack updates

現在、WindowsのアップデートにはLCU(Latest Cumulative Update: 最新の累積更新)とSSUと呼ばれる2種類のプログラムが提供されている。LCUはWindowsを最新の状態に保つための更新プログラムであり、毎月第2火曜日にリリースされる月例アップデートなどによって提供される。それに対し、SSUは、製品の不具合の修正やWindows Update関連のコンポーネントの更新など、累積更新プログラムに含まれない個別の更新プログラムになる。

注意が必要なのは、最新のLCUの適用には、特定のバージョンのSSUの適用が前提になっている場合があるという点だ。Windows UpdateでWindowsを更新する場合、前提となるSSUがリリースされていたらまずはそれをインストールし、その後で最新のLCUをインストールするという流れになっている。

この方式は、特にオンプレミスでWindowsデバイスを管理しているシステム管理者にとって混乱の種となっている。システム管理者はLCUとSSUの2種類の更新プログラムを別々にインストールしなければならず、さらにそれぞれの依存関係にも気を配る必要がある。もし前提となるSSUがインストールされていない場合、LCUのインストールに失敗し、その原因を特定する手間が発生する。

そこでMicrosoftでは2020年9月に、このSSU/LCU方式を改め、新たな複合パッケージ形式を導入する計画を発表した。新方式では、適切なLCUとSSUが単一のパッケージでWindows Server Update ServicesおよびMicrosoftカタログに対して提供される。これによってLCUとSSUを個別に管理する必要がなくなり、システム管理者が両者の依存関係の解決に時間を割く心配もなくなるという。

冒頭で書いたように、同社では今後数カ月以内にこの新しい方式に切り替える計画だとしているが、一般公開される正確なスケジュールについてはまだ示されていない。