米オラクルは2月10日(現地時間)、個人金融のエキスパートであるファーヌーシュ・トラビ氏と共同で実施した調査の結果を発表した。これによると、2020年は、人々とお金の関係を変え、自身の財務管理において自分以上にロボット・AIを信頼する傾向が明らかになったという。

同調査は、日本を含む14カ国(米国、英国、ドイツ、オランダ、フランス、中国、インド、オーストラリア、ブラジル、日本、UAE、シンガポール、メキシコ、サウジアラビア)、9,000人以上の一般消費者と企業・団体の管理職以上を対象としたもの。

パンデミック以前と比べ、企業・団体の管理職は、財務の不安とストレスが186%(日本は122%)、悲観的な考えが116%(日本は120%)増加した。一般消費者は、財務状況に対する不安とストレスが100%、(日本は71%)、悲観的な考えが70%(日本は27%)増加している。

また、コロナ禍によって生じた金融不安により、財務管理において何を信頼して、誰に支援を求めるのか、ということが変化したことが明らかになったという。財務の複雑さから切り抜ける方法として、人間以上にテクノロジーを信頼する一般消費者と企業・団体の管理職が増加した。

例えば、一般消費者と企業・団体の管理職の67%は、財務管理において人間以上にロボット・AIを信頼している。日本は世界平均よりも高い値で、91%となっている。

企業・団体の管理職の73%は、財務管理で自分以上にロボット・AIを信頼し、77%は自社の財務部門以上にロボット・AIを信頼していると回答した。

加えて、企業・団体の管理職の89%は、ロボット・AIが業務を改善できると考えている。これには、不正の検出(34%)、請求書の作成(25%)、コスト・利益の分析(23%)などが含まれる。

トラビ氏は、今回の調査結果について、以下のようにコメントしている。

「財務管理は、安定した時代でも困難であり、世界中のコロナ禍による金融不安は、家庭と職場での財務課題を深刻化させた。ロボット・AIは、これを上手に支援できる。ロボット・AIは数字に強く、お金に対して人と同じように感情的になることはない。これは、財務の専門家が不要になる、またはロボット・AIによって全面的に取って代わられるという意味ではないが、役割が変化する中で、さらなる付加価値の高い業務やデータを活用し仮説を立てるなどのスキル向上に注力すべきであることを調査は示唆している」