韓国のエネルギー・化学製品メーカーOCIが中国LONGi Green Energy Technologyへの大規模な太陽光発電用ポリシリコン供給の長期契約を締結したと発表した。

具体的な契約内容は、OCIのマレーシア子会社OCIMが、LONGiに2024年2月までの3年間にわたって8億4550万ドル規模のポリシリコンを供給するというもの。この金額は、OCIの2019年連結ベース売上高の35%に相当する規模となる。一方のLONGiは太陽光発電用シリコンウェハ分野でトップクラスの企業で高効率ウェハとモジュールを製造していることで知られている。

今回の契約は、中国での高効率太陽電池の需要の増加を背景としたもので、OCIMは現在、マレーシア工場で生産している3万トンに、2022年までに増産を開始する5000トンあわせて3万5000トン規模の太陽光発電用ポリシリコンの安定的な販売先を確保したとしている。

再生可能エネルギー専門の市場調査会社であるBNEF(Bloomberg New Energy Finance)によると、2020年は世界で新たに130GWの太陽光発電が設置されたとするほか、2021年はその規模が151GW以上になると予測されており、堅調な成長が期待できるとしている。

OCIは、これらの再生可能エネルギー産業の成長に合わせて事業を強化することを目指しており、今回のマレーシア工場の増産も、韓国・群山工場の遊休設備の一部を利用することで、投資額の削減を図り、ポリシリコンの製造原価も2020年比で今後約15%削減することを目指すとしている。

なお同社では、今回の契約を踏み台にし、これからさまざまな販売先を確保して成長する太陽光発電市場に対応していきたいとしている。