藤田医科大学(愛知県豊明市)は、川崎重工業(東京本社・東京都港区)が開発した国内初のロボット自動PCR検査システムの本格運用を近く始める。同大が2月4日にこのシステムを搭載したコンテナを報道陣に公開した。検体を投入してから80分程度で新型コロナウイルス感染の有無が判明し、1日最大2500件の高速処理ができるという。
このロボット自動PCR検査システムは同社が中心となって開発し、豊明市にある藤田医大病院の敷地内に設置された。長さ12.2メートル、幅2.5メートル、高さ2.9メートルの専用コンテナ内に、新型コロナウイルスを検出する装置やロボットアームなどの関連機器が装備されている。検体の入った容器をシステムの受け入れ口に置くだけであとはロボットが結果を出すまで全ての作業が自動で行われる。また専用コンテナを移動することで別の場所での運用も可能という。
同大によると、このシステムはこれまで3時間程度かかっていた結果が出るまでの時間を80分に短縮できるだけでなく、検査を行う医療スタッフの感染リスクを下げることになるという。2月中に実証実験を終え、3月までに1日最大2500件の本格運用を始める計画だ。
同大は、愛知県からPCR検査の増強要請を受けて昨年12月に学内に「産学連携推進センター受託解析研究ユニット(PCR検査センター)」を設置し、既に県内の保健所からの検体を1日最大1500件検査できる体制を稼働させている。このため、ロボット自動PCR検査システムの本格運用により、合計1日最大4000件となる国内施設最多レベルのPCR検査が可能になるとしている。
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