米国半導体工業会(SIA)は、2020年の半導体市場は前年比6.5%増の4390億ドルとなったこと、ならびに2020年12月の半導体市場は前年同月比8.3%増、前月比2.0%減の392億ドルとなった発表した。なお、月間売上高は世界半導体貿易統計(WSTS)によって集計されたデータに基づき 3か月の移動平均値で示されたものである。

  • 半導体市場推移

    世界半導体市場の推移 (出所:SIA/WSTS)

2020年を地域別に見ると、米州が前年比19.8%増と際立ったほか、最大市場である中国も同5.0%増の1517億ドルを記録。アジア太平洋/その他地域も同5.3%増、日本も同1.0%増とプラス成長となったが、欧州だけは同6.0%減とマイナス成長となった。また、2020年12月の場合はアジア太平洋/その他地域が前年同月比0.8%増、日本が同0.1%増となったが、それ以外の米州が同3.0%減、欧州が同0.2%減、中国が同4.5%減となった。

2020年を半導体製品セグメントでみると、ロジックが前年比10.3%増の1175億ドル、メモリが同10.2%増の1173億ドルと、2セグメントだけでおよそ全体の半分を占める規模となっている。また、メモリをカテゴリ別に見ると、NANDが同23.1%増の495億ドルと大きく伸びたという。このほか、マイクロプロセッサを含むマイクロICも同4.8%増の696億ドルとなり、非メモリセグメントの合計も同5.2%増とプラス成長となったとする。

SIAのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるJohn Neuffer氏は、「2020年の半導体市場は、パンデミックやその他の要因によってもたらされた困難なマクロ経済環境を乗り越え緩やかに成長した。半導体に対する世界的な需要が高まっている」と述べている。また、同氏は米国半導体業界を代表する立場として、「米国国内の工場で製造された半導体チップの世界市場に占めるシェアは1990年の37%から今日では12%にまで低下しており、その格差は、世界的な競争の場を平準化するために米国政府が早急に行動してくれなければさらに拡大してしまうだろう。米国連邦政府は、国内のチップ製造とチップ研究への投資に対するインセンティブに投資することが必要不可欠である。そうすれば、米国は半導体需要の高まりから利益を得て、経済、国家安全保障、重要なインフラストラクチャを強化するために必要な半導体をさらに生産できるようになる」と述べており、現在連邦議会で審議中の米国半導体製造強化法案の早期成立とそれにともなう国内半導体製造への巨額国費投資を米国政府に要請している。