米Microsoftは2月4日 (現地時間)、リモートや在宅をニューノーマルとする新たな働き方おいて、企業・組織の文化を反映した満足度の高い従業員体験を実現するプラットフォーム「Microsoft Viva」を発表した。エンゲージメント、福利厚生、ラーニング、ナレッジの4つを重点に、Microsoft TeamsまたはMicrosoft 365に「Viva Connections」「Viva Insights」「Viva Learning」「Viva Topics」の4つのモジュールを組み込む。
同社はVivaを「初のエンプロイーエクスペリエンス(EXP:Employee Experience)プラットフォーム」と表現している。エンプロイーエクスペリエンスは、スキルアップ、会社での経験や満足度、健康管理といった企業・組織における従業員の体験価値を指す。そうした価値は、これまで企業・組織における体験や社員の直接的な関わりを通じて高められていた。だが、リモートワークや在宅ワークがニューノーマル化する中で、分散して働く従業員のエンプロイーエクスペリエンスを高め、企業文化を浸透させていく必要性に企業は迫られている。
「働き方が変化する中で、次のイノベーションは、クリエイティビティ、エンゲージメント、ウェルビーイングに焦点を当て、企業・組織が適応性と創意工夫の文化を構築することからもたらされるでしょう」とJared Spataro氏(Microsoft 365担当コーポレートバイスプレジデント)。柔軟性が求められるハイブリッドなワーク環境において、企業・組織の文化を維持し、従業員をつなぎ、従業員の創意工夫の力を引き出せるようにVivaを用意した。
「Viva Connections」は、社内コミュニケーション、企業ポリシーや福利厚生、社内ニュース、コミュニティ参加など、パーソナライズ化したデジタルワークプレースのゲートウェイを提供。従業員は、カスタマイズ可能なTeamsのアプリから利用する。Connections app for Teamsは2021年前半にデスクトップ版のプレビューを提供、続いてモバイルアプリをリリースする。
「Viva Insights」は、エンプロイーエクスペリエンスを高める分析情報を従業員、マネージャーや経営者に提供する。プライバシー保護を優先。個人の働き方の分析やインサイト(洞察)が可視化されたデータは従業員個人のみに表示され、スキルアップやワークライフバランス、コミュニケーションの改善などに役立てられる。管理職はチームまたは組織レベルの傾向を把握でき、それらをプロダクティビティと福利のバランスの向上に活かせる。Insightsは4日から、TeamsのViva InsightsアプリおよびViva Insightsダッシュボードのパブリックプレビューが始まった。
「Viva Learning」はあらゆるラーニングリソースを集約、トレーニングやスキルアップに必要なコンテンツを従業員が簡単に発見し、ワークフローからもアクセスできるようにする。企業・組織のコンテンツライブラリ、Microsoft LearnやLinkedIn Learningのほか、Skillsoft、Courseraといったサードパーティのコンテンツを取り込むことも可能。4日からプライベートプレビューがスタート、年内の正式提供を予定している。
「Viva Topics」は、企業に蓄積された情報やノウハウ、専門知識を持った人たちへのアクセスを支援するナレッジディスカバリー体験を提供する。Microsoft 365データをAIで推論し、ServiceNowやSalesforceといった様々なサードパーティサービスからのナレッジも統合して、Microsoft 365やTeams上の会話またはドキュメント内にトピックカードを自動的に表示する。Microsoft 365のコマーシャルプランで、アドオンとして4日より提供が始まった。