内田洋行、滋賀県教育委員会、京都大学学術情報メディアセンターは2月1日、高等学校の学習・指導において次世代AIで分析データを導き出す実証研究に関する三者連携協定を締結したことを発表した。
このAI分析に関する実証研究は、文部科学省「GIGAスクール構想」後を見据えて実施するもので、全国で2例目の協定となる先進的な取り組みだという。
滋賀県教育委員会は、GIGAスクール構想の実現後を見据えて、学習者個々人に寄り添ったよりきめ細かい学習・指導のために学習データの活用が重要になると考えることから、京都大学学術情報メディアセンターと内田洋行の取り組みに賛同し、三者連携協定を締結したという。今後は三者共同で、滋賀県内の県立高等学校2校をモデルとして実証研究を進めていくとしている。
協定期間は、2021年2月1日から2022年3月31日まで。滋賀県教育委員会は実証研究校を選定。内田洋行は実証研究の履行に必要なソフトウェア、サービスおよび教材等を実証研究校に導入し、実証研究校は教育活動を展開。京都大学および内田洋行は実証研究校における教育活動を通して、教員の指導状況を示す指導ログおよび生徒の学習状況を示す学習ログを収集して、当該データの解析を行う。
実証研究校は、2021年度より先行してBYODを導入する滋賀県立大津商業高等学校、滋賀県立彦根東高等学校の2校。実証研究では、校内での教育活動や家庭学習において、スタディ・ログの蓄積、データ解析を通して分からない分野の学習を繰り返し行い、基礎学力の確実な習得を実現したり、また、学習傾向を分析し、生徒の能力や適性に応じた「個別最適な学び」の実現を目指したりするとともに、教員が指導と評価にも活用したりするという。
滋賀県教育委員会は、その成果を全県立高等学校に普及することで「個別最適な学び」、「協働的な学び」、さらには「探究的な学び」を深めていくことができるなど、学びの質を高めることが期待できるとしている。
京都大学学術情報メディアセンターと内田洋行教育総合研究所は、システムが生成した説明が、学習者や教師によってどの程度受容されたか、システムの説明によって、学習者の理解度がどの程度向上したか、学習者がシステムを利用することで、教員の負担がどの程度で軽減するかの実証データの収集を行い、学校現場に適したデータ活用のあり方についての研究に活用するということだ。