花王は、日本人女性の顔を調査解析し、パーツの配置および形状から、日本人女性の「平均フェースプロポーション」を確認するとともに、印象の違いに影響を与える顔の特徴を明らかにしたと発表した。

同研究成果の詳細はオンラインにて開催された第25回日本顔学会大会で発表された。

今回の調査では、20~30代の日本人女性104名の顔を撮影し、眉の角度、目の角度、目の面積などの32項目を測定し、それぞれの平均値を算出したうえで、104名の顔を合成し、「平均顔」画像の作成を行った。

  • 日本人女性の「平均顔」とその測定値

    日本人女性の「平均顔」とその測定値 (出所:花王)

「平均顔」は、「額~眉頭、眉頭~鼻下、鼻下~あご先のそれぞれが、顔の縦の長さを3等分した比率、目の横幅は顔の横幅の5分の1程度」であることを確認。また、「目と目の間隔は、片目の横幅の約1.2倍」であるなどが明らかになったという。

また、平均顔の作成に使用した画像を20~30代の男女400名に提示し、8つの印象(「かわいい」「やさしい」「上品」「知的」「大人っぽい」「美人」「印象が良い」「親しみがもてる」)の程度について評価してもらい、印象の評価が高かった顔を合成した「印象顔」を作成。 その結果、印象によって「平均顔」との有意差のある項目が異なることや、印象ごとに関連性の高い項目が違うことが判明したという。

  • 「印象顔」と印象を特徴づける要素

    「印象顔」と印象を特徴づける要素。印象顔の特徴は、目や眉の角度や大きさなどに表れることが多く、目もとが顔全体の印象に影響することが確認されたとしている。 (出所:花王)

同社は今回の調査で、顔のパーツの配置や形状の平均となる「平均フェースプロポーション」をもとにすると、それぞれの顔の個性が見いだしやすいことや、顔の印象を特徴づける要素を抽出できたことを、化粧品ブランドの基礎情報として活用することに加え、美容部員の教育に応用し、メイクアップ技術や提案力の向上につなげていきたいとを図る予定だとしている。