ルネサス エレクトロニクスは、自社の汎用64ビットMPU「RZ/G2」シリーズに、Arm Cortex-A55コアを搭載したエントリークラス製品として「RZ/G2L」、「RZ/G2LC」、「RZ/G2UL」の3種を追加したことを発表した。
これにより、同シリーズのラインアップは、既存のミドルレンジからハイエンド向け製品4種(「RZ/G2E」、「RZ/G2N」、「RZ/G2M」、「RZ/G2H」)と併せて合計7種となる。
新製品3種に搭載されているCortex-A55は、従来のCortex-A53コアと比較して、処理性能を約20%向上させているほか、AIに必要な処理を約6倍高速化できるという性能を有している。また、3製品ともにCortex-M33も搭載しているおり、これによりセンサデータの収集などのリアルタイム処理を外付けマイコンで行う必要がなくなりが、システム全体のコスト低減も可能にしている。
さらにカメラ入力、3Dグラフィックスエンジン、ビデオコーデックなども搭載しているため、HMI機器におけるマルチメディア処理やGUI描画、AI画像処理などの機能をコスト効率よく実現することができるようになるという。
加えて、開発環境として10年以上のメンテナンスが保証されている産業グレードLinux「Civil Infrastructure Platform Linux」をベースとした動作検証済みのVerified Linux Package(VLP)が提供されており、これにより将来のLinuxのメンテナンスコストを低減できるようになるとしている。
なお3製品ともに、すでにサンプル出荷の開始と評価ボードの予約受付を開始ししており、2021年8月以降、順次量産を開始する予定となっている。