東京建物、TOKAIコミュニケーションズ、内田洋行の3社は、昨年7月末から11月末の間に東京建物八重洲ビルで行ったオフィスフロアのAIによる空調制御の実証実験で約5割の消費エネルギー削減などの効果を確認している。3社はその結果を19日に発表した。

実証実験は、ゾーンごとに手動で温度を調整できる空調機を設置する7Fオフィスフロアに65個の無線センサーを設置。データをもとに39台の空調をクラウド上のAIで自動制御するシステムを構築、夏(7月27日から8月31日)と秋(10月5日から11月27日)に行っている。

  • オフィスでのAIによる空調制御実証実験システムの構成図(同社資料より)

    オフィスでのAIによる空調制御実証実験システムの構成図(同社資料より)

夏期の手動では目標温度26±2℃から逸脱した場合に復帰できない、復帰に時間がかかるなどフロア内の室温のムラが顕著だがAIで制御した場合はこれらを解消することを確認。秋期には、同規模の8Fから10Fの平均消費エネルギーと比較を行いAI制御ではこれが半減することを確認している。

  • 東京建物八重洲ビルフロア別消費電力の変化(同社資料より)

    東京建物八重洲ビルフロア別消費電力の変化(同社資料より)

広いオフィスフロアで個別の空調を手動変更すると室温全体の制御に時間やコストがかかる場合があり、データによるAI制御でこれを解消できることを示しているが、3社は冬期から春期におけるさらなる実証を予定している。詳細なパラメータを加え、AIによる空調制御技術を進めることで快適なオフィス空間と省エネ実現を目指す。