半導体市場調査会社である米IC Insightsは、 2020年のファブレスIC設計企業の売上高総額は前年比22%増となり、全ICの売上高の32.9%を占め、過去最高のシェアを更新した模様であると発表した。ちなみに設計と製造を自社で手掛けるIDMの売上高総額は同6%増にとどまったともしている。
ファブレスIC設計企業の売上高総額は2010年から2020年にかけて2倍以上(635億ドルから1300億ドル)になると予測されているが、IDMのICに関する売上高総額の同期間の伸びは2043億ドルから2657億ドルと約30%ほどに留まる模様だという。
2002年、ファブレスIC企業の売上高総額はIC市場全体の13%ほどであったが、年を追うごとに成長を続けてきており、2010年、2015年、およびメモリバブルでメモリIDMが潤った2017年、2018年の4年を除いて、ファブレスIC企業の成長率はIDMのそれよりも大きかった。こうした背景から、全IC市場に占める割合も徐々に増加。メモリバブルでシェアを落としたが、メモリバブルが終わった2019年には29.7%と回復、2020年も32.9%と過去最高を更新する模様である。
なおIC Insightsでは、長期的にはファブレスIC設計企業、およびその生産を受託するファウンドリの売上高総額のIC市場全体に占める割合が徐々に増加し続けると予想している。直近である今後5年間については、30%台前半を維持し続ける見込みであり、半導体産業の推進役を果たしていくとしている。