2021年の年頭にあたり、リコーの代表取締役 社長執行役員の山下良則氏は、以下の年頭所感(抜粋)を発表した。
一丸となってデジタルサービスの会社へ
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
まず、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった皆様に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々、困難な状況におられる皆様の早期回復を心よりお祈り申し上げます。また、第一線で奮闘されている医療従事者の皆さまに対し、心より感謝申し上げます。
世界経済は、コロナ影響による2020年のマイナス成長から2021年のプラス成長へと、緩やかな回復基調が想定されるものの、自国主義の台頭や、各地で起きている自然災害など、今後の展開が読みにくい状況が続いています。
とりわけ、コロナの拡大は社会を一変させました。人の移動が制限され、半ば強制的に在宅勤務やテレワークの導入が進むとともに、ペーパーレスも加速しました。このような働き方の変化自体は、徐々に進行するものと想定していましたが、コロナの拡大によって、一気に数カ月で前倒し進行したと捉えています。
このような状況のなかで、すべての人、そして組織が、『良い人生とは何か』『良い社会とはどのような社会なのか』という問いに向き合う機会を与えられていると感じています。私はこの、コロナが連れてきた根源的な問いに対する答えは、まさにSDGsへの貢献にあると思っています。
今回のコロナで、世の中の多くの社会課題が浮き彫りになったなか、これらを解決し続けるビジネスモデルを作り上げることがいま企業に求められています。
新しい事業のあり方をいかに速く、かつワークプレイスや働く人という軸で立案できるかが、リコーにとっての勝負とも言えます。会社として非常に厳しいハードルを越えていかなければなりませんが、今何をするかが未来のリコーの姿を変えていくと私は確信しています。
リコーは「デジタルサービスの会社」へと転換することを宣言し、事業構造の転換と資本収益性の向上をさらに進めます。そのため、今年4月からの第20次中期経営計画「飛躍」に取り組むにあたり、カンパニー制を導入することにいたしました。
これまで以上にお客様に寄り添い、新たな顧客価値を創造することで、持続的な企業価値向上を図るとともに、2036年ビジョンとして掲げた「“はたらく”に歓びを」の実現を目指します。皆様には、リコーの挑戦を楽しみに見守っていただければと思います。