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ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙氏は、2021年の年頭所感を発表した。国内No.1の5Gネットワークの構築を目指すとしている。
あけましておめでとうございます。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によって、社会全体が大きな変化を迫られた年でしたが、われわれにとっても事業環境が大きく変化した1年でした。
ソフトバンクは、このような状況の中でも安定して事業を継続するとともに、変化に対応して成長を実現しました。10年以上前から進めてきた業務のデジタル化や、働き方改革推進などの取り組みによって、スムーズにリモートワークへ移行し、円滑に事業を進めながら約7割の社員の在宅勤務を実現しています。ショップなどの営業現場では感染拡大防止のためにオンラインでのスマホ教室開催などさまざまな工夫を行い、法人営業においては対面による営業活動が制限される中で徹底的なオンライン化を進めた結果、顧客とのコンタクト数が約5倍になるなど、通信事業者としての強みを最大限に生かしたデジタルシフトによって成果を出してきました。また今年から本社を竹芝へ移転し、最先端テクノロジーを活用したスマートビルで、ニューノーマル時代に対応する新たなワークスタイルの確立を目指します。
ニューノーマル時代にはあらゆる業界でデジタル化が急速に進むことになりますが、その推進には5G(第5世代移動通信システム)が必要不可欠です。5Gにおいてソフトバンクは、これから5年間で約20万の基地局を整備して早期にエリアの拡大などを進め、国内No.1の5Gネットワークの構築を目指します。さらに、6Gも含めた次世代ネットワークの構築に向けて今後10年間で2.2兆円の投資を行い、あらゆるモノがつながる世界を見据えたネットワークの構築に取り組みます。
また、今年3月には子会社であるZホールディングスとLINEの経営統合を予定しており、われわれはグループとしても大きな飛躍を遂げる年になります。まず通信領域では、「SoftBank on LINE」をコンセプトとする新たなオンライン専用ブランドを立ち上げます。大容量ブランドの“ソフトバンク”、小中容量ブランドの“ワイモバイル”、そしてオンライン専用ブランド――携帯電話事業は三つの自社ブランドで多様化するお客さまのニーズにお応えしていきます。そして、経営統合後の新生Zホールディングスを筆頭にこれまで以上にグループの力を結集し、「Beyond Carrier」戦略のさらなる推進に向けて、通信に加えてさまざまな領域のビジネスに挑戦していきます。
われわれが提供する通信ネットワークやインターネットサービスは社会インフラとして重要な役割を担っており、これまでも社会への貢献を意識して事業を行ってきました。昨年はSDGs (持続可能な開発目標)の取り組みの推進のために、「SDGs推進委員会」を設置するとともに、「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに六つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。5G・IoT・AI(人工知能)などのテクノロジーを活用してこれらのマテリアリティを解決していくことは、われわれが長期的な成長を遂げるためにも必要なことです。今年はこれらの取り組みをさらに推進し、持続的成長の実現を目指していきます。
通信事業を基盤に最先端テクノロジーを活用してあらゆる産業の課題や社会課題の解決に正面から取り組み、経営理念である「情報革命で人々を幸せに」の実現に向けてまい進することで、社会へ貢献していきます。
今年もソフトバンクをよろしくお願い申し上げます。