多くの市場調査会社ならびに世界半導体市場統計(WSTS)は2020年の半導体市場について、2019年末あるいは2020年年頭の時点で、メモリバブル後のマイナス成長となった2019年のリバウンドにより、いずれも前年比プラス成長と予測していた。
しかし、新型コロナウイルス感染症が世界に蔓延すると、今度はそのほとんどが同マイナス成長へと下方修正をした。ところが、第2四半期に入り、世界的なデジタル化の進展やメモリクライアントの在庫積み増しによる特需の結果、半導体産業は活況を呈するようになり、夏ごろには、ほとんどの調査会社が再び同プラス成長へと予想を変更した。
調査会社の1社である米IC Insightsは、2020年の半導体IC市場について、同8%増との最終予測を12月に入ってから公表した。同社は過去一貫して、世界のGDPの伸び率と半導体あるいはIC市場の成長率は相関関係にあるという主張を繰り返してきたが、2020年の世界のGDPは同4.5%と推測されており、この相関関係はまったく当てはまらない結果となることが見えている。
ちなみに2021年の世界のGDP成長率は同4.8%増、そして半導体IC市場は同10%以上の成長率を示すとIC Insightsでは予測している。ただし、2021年は新型コロナで受けた世界経済の力強い回復を見越してはいるものの、いつから回復するのかについては不透明であり、2020年12月末の時点で具体的な数値は示すのは困難であり、暫定的な数値として同12%増という数字を示すにとどまっている。