台湾および韓国の200mmファウンドリは2020年、旺盛な受注に応えるためにフル稼働状態が続いているが、米国政府による中SMICに対する制裁を受け、SMICに発注していた半導体メーカー各社が、台湾ならびに韓国のファウンドリに乗り換える動きを見せており、需給バランスの悪化に拍車がかかりつつある。

こうした状況を踏まえ、台湾の工商時報は12月23日付けで、「韓国の中堅ファウンドリであるDB HiTek(旧東部ハイテク)が2021年第1四半期にも200mmウェハによる生産受託費を10~20%引き上げる模様であり、台湾の200mmファウンドリ各社も10~15%程度値上げに踏み切る見込みである」と伝えている。 200mmウェハを用いた中古半導体製造装置は、すでにその多くが生産を行っておらず、質の良い中古もなかなか手に入りにくい状況であるため、ファブを増設することが困難な状態となっており、顧客にほかの選択肢がないこともあり、値上げを受け入れざるを得ない状況だという。その結果、すでにファウンドリに生産委託している半導体ファブレスICメーカーの一部も、製品価格に値上げ分を転嫁を余儀なくされているという。

市場動向調査会社である英OMDIAによると、2021年には200mmに次いで300mmウェハによるファウンドリサービスも供給不足に陥る可能性があるという。したがって、2021年は、ファウンドリ業界にとって絶好調の年になりそうだが、顧客にとっては値上げに悩まされるとともに供給量確保のために奔走する年になりそうである。