寒気が降り、新型コロナウイルス感染症がさらに広がりを見せている。よりいっそう気を引き締めなければならないが、改めてワークライフバランスを見直そうとThe Enterprisers Projectにおいて呼びかけるVictoria Roos Olssonさんは、ヨーロッパや中東でマネージャー職のトレーニングやコンサルタントを20年間行ってきた女性で"Everyone Deserves a Great Manager:The 6 Critical Practices for Leading a Team"(誰もが素晴らしいマネージャーに値する:チームをリードするための6つの重要なプラクティス)の著者の一人。組織におけるリーダー論を説いている。The Enterprisers Projectは、RedHatが場を提供するCIOやITリーダー向けのWebサイトでDXやエンタープライズテクノロジー、起業家向けの情報を発信している。DevOpsや分散処理、AIや自動化など経営視点におけるテクニカルな話題が多いが、長期化するウィズコロナに対して"深呼吸"をして見直そうと7つのポイントを挙げている。

1.Reflect on why work-life balance matters to you(なぜワークライフバランスが重要なのかを再考する)
ワークライフバランスは健康な毎日を送るために重要だが、それだけではない。意思決定、創造性、共感力、問題解決なども、ワークライフバランスが取れてこそ、正しい方向にいく。Victoria Roos Olssonさんは、今後6カ月、1年と長期的に続くことも念頭に置いて考えることを進めている。

2.Define your home office(在宅勤務の人は仕事の場所を確保する)
在宅勤務中で、仕事に集中できる環境ーーデスク、モニター、椅子、ネットワークなど一ーが整っておらず、"一時的"な状態でやっているのなら、きちんと仕事のスペースと環境を整えよう。一時的と思いながらでは仕事に集中できない。

3.Set boundaries(境界線を設定する)
仕事の始まりと終わりを明確にする。これまでは自宅を出て移動してオフィスに入り、仕事が始まっていた。朝起きて朝食を食べ、同じ場所で仕事をするとなると、明確に始まりを意識しないとスイッチが入らない。モニターをオフにする、仕事のメールは読まないなどの終わり方を決めたい。

4.Keep moving!(体を動かす)
在宅勤務になると1日中家にいることも可能だ。台所、居間、仕事スペースを行き来するだけ、と言うのは健康に良くない。在宅勤務ではなくても、トイレにいく以外はデスクと言う人は要注意だ。記事によると、4時間座りっぱなしだと11分寿命が短くなると言う主張もあるとのこと。食事の前に散歩に行く、朝起きてから仕事を始める前に走るなど、運動の習慣を持ちたい。

5.Find moments of stillness(静かな時間を確保する)
せっかく在宅勤務なら、自分のペースで仕事をしよう。記事では、黙想して落ち着く時間を取り入れることをアドバイスしている。新しいアイディアが湧くかもしれない。気持ちが冷静ならば誤った判断が減るはずだ。

6.Connect with others(同僚や友人とのやりとりを)
家族以外の人とも交流を維持しよう。コロナ前、同僚との仕事の合間にちょっとしたお喋りしていたような時間を、在宅勤務で日常的にどうやって確保するかを考えたい。

7. Finally, remind yourself that this pandemic will not last forever(コロナはいつか収束する)
完全に元に戻らないにせよ、多くのことが戻ってくるはず。深呼吸をしてポジティブなことを大切に!

突然世界に浮上してきたコロナという禍から1年を経ようとしている。通常業務と変わらずにうまく行っている人、なかなか思うようにうまく行かなった人。多くのケースがあるはずだが、うまく行かなかった点を課題と捉えて、それを分析・改善させ続けていきたいところだ。

筆者の場合、境界線の設定で試行錯誤。まだうまく構築できていないようだ。物理的な限界もあるため何か工夫が必要であることは認識している。一方、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンは運動や気分の切り替えに効果があった。装着しておけば周囲のノイズ低減に寄与し、仕事の継ぎ目ではイヤホンをタップするだけでお気に入りの曲が流れる。細切れの時間の気分転換にはもってこいだ。また、長期戦に備え椅子を購入したが、徒歩での持ち運びの際に握力の低下を痛感。それを機に購入したパワーボールがとても良かった。ジャイロ効果で少し回すだけで巨大な負荷がかかる不思議なボールは、手元に置いておける野球ボールサイズほどのツールであるため、手軽な運動と気分転換を短い時間でまとめられた。

ノートPC周りではあるひとつのWindows10のショートカットが時間の大きな削減に役立った。[Alt]+[Tab]である。デスクトップPCの大きな画面では気にならなかった画面上のウィンドウの占有がノートではどうしても課題として浮上してくる。Windows 10で[Alt]+[Tab]を押すと現在開いてるウィンドウやフォルダが画面上にサムネイルで表示され、その状態で[Tab]を押すことでフォーカスを切り替えられる。マウスドラッグで"よいしょっ"とウィンドウを除けずにそのまま開いている目的のソフトやフォルダに切り替わる。フォーカスも切り替えたソフトに変わるので、そのまま[Alt]+[F]+[O]でファイルを開いたり閉じたりとマウスを使用しない連続コンボで大量反復業務の時間削減に有効だった。良い点悪い点を振り返り、良いものは習慣化させるよう努め、悪い点は対策案を考える。そう思った次第だ。

  • Windows 10で[Alt]+[Tab]

    Windows 10で[Alt]+[Tab]