IDC Japanは12月21日、国内クラウド需要に関する調査結果を発表した。同調査は、何らかのクラウドを利用中の国内企業(従業員規模100人以上)を対象としてアンケートを2020年10月に実施し、452社から得た有効回答をまとめたもの。

国内市場では、企業が複数のクラウドを利用することが一般化している。一方、同社によると、複数のクラウドを統合的に管理している企業は約20%にとどまっており、クラウドのサイロ化(各部門が独自に業務を遂行しそれぞれ孤立している状態)が見られるという。

また同、複数のクラウドを利用した時の課題や懸念として、「コスト管理・コスト削減」「全体的なセキュリティの強化」「クラウドごとに異なる運用管理の対応」などが上位に挙げられている。現在、これらの課題や懸念を解消するために、クラウドの統合管理を目指す企業が多くなっているという。

  • 「今後、クラウドベンダーや基盤技術の数や種類は増加あるいは減少すると思いますか」へのアンケート回答。HPCはホスティング型のプライベートクラウドのことで、EPCはオンプレミス型プライベートクラウドのこと 資料:IDC Japan

今後は、クラウドベンダーや基盤技術を増加させると考える企業が多く存在するという。その主な理由として、「システムごとに最適なクラウドが異なる」「コストを最適化するため」「現状よりも、優れたベンダーや技術の登場」などが挙げられている。一方、プライベートクラウドでは、クラウドベンダーや基盤技術を減少させるとの回答も多く、その理由として「コスト削減」「業務の効率化」「ITガバナンス強化や管理の簡略化」「社内要員やスキルの不足」が挙げられている。