ServiceNow Japanは12月17日、ServiceNowのデジタルワークフローとIoTデータを統合する新製品「ServiceNow Connected Operations」の国内提供を本格的に開始すると発表した。
同製品は、複数の場所に散在する資産の稼働状況をほぼリアルタイムな情報として一元的に可視化することを可能にする。同製品を導入することで、発生した問題は自動的に運用上のインシデントとして担当者に通知され、ServiceNow Customer Service ManagementおよびServiceNow Field Service Managementのワークフローを利用してインシデント内容を優先順位付けして解決できるようになる。
同社はプラットフォームであるNow Platformを核として、10個のSaaSを提供している。各SaaSはIT業務の生産性の改善、従業員体験の改善、顧客や代理店の体験の改善という3つのジャンルのいずれかに属するが、「Connected Operations」は顧客や代理店の体験の改善のジャンルのSaaSとなる。
ソリューションセールス統括本部 カスタマーサービスマネジメント事業部 事業部長 李広泰氏は、「Connected Operations」を提供するに至った背景について、「企業の経営層はIoTがデジタルトランスフォーメーションのカギを握っており、顧客サービスに影響を及ぼすと考えているが、IoTの導入には3つの課題がある。これらの課題を解決するのがConnected Operations」と説明した。
IoTの導入を妨げる課題の1つは、企業のさまざまな場所から収集したIoTデータはフォーマットがバラバラなことがあるが、その場合、加工に手間と時間がかかるということだ。その結果、必要なデータを取り切れないという。2つ目の課題は、収集したデータがビジネスのどの部分に影響を与えるかということにひもづいていないことであり、3つ目の課題はデータが改善にひもづいていないことである。
「Connected Operations」は「IoT Bridge」「IoT Rule Engine」「Operations Incident」「Connected Workflows」という4つの機能から構成される。
「IoT Bridge」はIoTに接続した資産から、稼働状況などのデータをNow Platformに取り込み、インフラストラクチャを監視することを可能にする。その際、MQTTやHTTPなどの標準的なIoTプロトコルを介して、IoTデバイスを認証し、通信する。李氏は「IoTだからといって、すべてのデータを取り込むのではなく、標準プロトコルに対応したデータを取り込んでいく」と語った。
「IoT Rule Engine」では、問題が発生した際に担当者へ通知されるルールを作成することができる。同機能は「ビジネス部門の人がグラフィカルのインタフェースを使って簡単にルールを作ることが可能になっている」(李氏)という。
「Operations Incident」では、IoT Rule Engineによって問題が検出されて作成されたイベントをまとめて、ノイズを削減して誤検出を減らすことに貢献する。
「Connected Workflows」では、Customer Service ManagementとField Service Managementを迅速に統合し、問題への対応状況を管理しながら、単一のワークスペースでチーム間の調整を可能にする。
李氏は、「Connected Operations」のメリットとして、「顧客体験のトランスフォーメーション」「インサイトを可視化して行動を促す」「コンプライアンスの要求事項の自動化」「安全性の向上とブランドの保護」「新しいビジネスモデルの実現」を挙げた。
「Connected Operationsを利用すると、企業側で問題に気づいて通知することが可能になり、顧客に手間をかけることがなくなり、ストレスが軽減され、顧客の満足度を向上させることができる。また、データの閾値が超えた場合、システムが問題をハンドリングすることが可能になり、インサイトを利用して新たなビジネスモデルを構築できる。こうした流れを単一のデータモデルとプラットフォームで実現できる」(李氏)