スパークス・アセット・マネジメントが12月16日に発表した「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2020」によると、2020年に「投資デビュー」した投資家は全体の15%であり、20代の投資家では36%だったことが分かった。またポイント投資の利用率が上昇しており、投資家全体では34%が、20代の投資家に限ると56%だったという。

  • 投資の経験年数

同調査は同社が、日本株/外国株/公社債/投資信託/REI/金・プラチナなどの金融資産への投資経験がある20歳から79歳までの投資経験者を対象として11月20日から11月24日にかけてインターネット調査により実施したものであり、有効回答数は1000人。

回答者のうち現在も投資をしている現役投資家805人の投資経験年数を見ると、今年投資を始めた人は15.3%、1~3年程度が20.6%、4~6年程度が15.0%、7~9年程度が6.2%、10年以上が42.9%だった。年代別に見たところ、20代では今年投資を始めたという回答者が35.6%に上った。

  • 投資している金融資産

現役投資家に現在投資している金融資産を尋ねると、日本株が69.4%で最も多く、以下、投資信託(REIT以外)(50.8%)、外国株(15.3%)、外貨(FXを含む)(14.7%)、日本公社債(国債/地方債・社債など)(13.9%)と続く。年代別では、20代は外国株(28.2%)や仮想通貨(13.5%)、40代は外貨(21.9%)や金(ゴールド)・プラチナ(13.0%)、60代・70代では日本株(84.9%)が、それぞれ他の年代層と比べて高い。

  • 投資サービスの利用率

新しい投資サービス5種類を提示して利用状況を聞いたところ、それぞれの利用率はポイント投資が33.7%、おつり投資が5.8%、ロボアドバイザー投資が9.2%、テーマ型投資が6.7%、ソーシャルレンディング投資が4.5だった。

ポイント投資の利用率を過去の調査結果と比較すると、2018年の18.8%から2019年は27.3%、2020年は33.7%と、年々上昇している。

  • コロナ・ショックから回復すると思う時期

全ての回答者1000人に対して、日本や世界の経済がコロナ・ショック(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による打撃)から回復するのはいつ頃だと思うか尋ねたところ、日本経済では、既に回復していると思う回答者は2.3%、2020年中は2.3%、2021年中は22.1%、2022年中は28.2%、2023年以降は45.1%であり、2023年以降が最も多い。回復は再来年以降になると予想する投資経験者の割合が、計73.3%となった。

日本以外の国や地域について2023年以降と回答した人の割合は、アメリカ経済が39.3%、中国経済が27.2%、韓国経済が53.5%、EU経済が55.1%であり、いずれも日本経済と同様に最も多くなっている。一方で、中国経済が既に回復していると見る回答者は22.5%と他の国・地域の経済と比べて多く、2021年までには回復していると予想する回答者は計55.1%だった。

  • 2021年以降の日本経済成長に必要と思うこと

全ての回答者1000人に2021年以降の日本経済の成長のために必要だと思うことを聞くと、「新型コロナウイルスの終焉」が63.3%で最も多く、以下「新しい働き方の定着(副業・兼業やテレワークなど)」(43.7%)、「持続的な賃金上昇」(33.3%)、「デジタル人材・デジタル産業の育成」(30.1%)、「AI・ロボットの普及」(28.0%)と続く。

  • 今後長期的な成長を期待できそうな市場

同じく全ての回答者に、今後長期的に成長の期待が持てそうだと感じる市場(産業)を尋ねたところ、知能化技術(AI・自動運転車など)が40.2%と最多であり、以下、先進医療(再生医療・遺伝子治療など)(38.0%)、ロボット工学(家庭用・産業用ロボットやドローンなど)(36.2%)、情報・通信技術(IT/ICT)(30.8%)、バイオ・創薬(30.1%)の順だった。