freeeは12月15日、百十四銀行と中小企業のDX推進に向けて業務提携したと発表した。百十四銀行は今年4月から中期経営計画「トライ☆ミライ!」をスタートし、その中で「地域のプラットフォーマー」として地域の顧客のさまざまな悩みを金融の枠を超えて解決することを掲げ、資金供給のみならず多様ななソリューションの提供に取り組んでいる。
今回、両者は地域のデジタルトランスフォーメーションの中心的役割を担い、中小企業や個人事業主の生産性向上を進めていくという理念が一致し、業務提携に至った。百十四銀行では、中小企業の生産性向上に向けたICTコンサルティングのサポートを12月15日から開始し、入出金明細管理サービス「freee入出金管理 with 114BANK(仮称)」も来春の提供開始を予定している。
業務提携に伴い、まずは「会計フリー with 114BANK」の提供を開始する。同ソリューションは、freeeが提供する「クラウド会計ソフトfreee」をベースに百十四銀行の顧客向けに開発したサービス。通常の会計freeeと同様に金融機関などの取引データを連携させることで、取引の明細を自動取得することができるため経理の手間を省きバックオフィス業務の効率化を実現するという。
また、百十四銀行の事業用口座を持つ顧客は会計フリー with 114BANKに登録時点で同行の担当者との間で情報共有を開始することができるため、適切な経営・資金繰り改善のアドバイスやコンサルティングを受けることを可能としている。
さらに、バックオフィスに課題感を持つ顧客に対して会計フリー with 114BANKをソリューションとして紹介するだけでなく、同行が希望に応じて有償で導入支援までを実施。中小企業のIT活用の促進を目指し、今後は会計freeeと連携した外部のクラウドサービスの導入支援も検討している。
一方、DX推進の1つとして今後は中小企業経営者が他行を含めた取引銀行口座の残高や入出金明細の管理ができるモバイル対応サービスとしてfreee入出金管理 with 114BANK(仮称)を同行の顧客向けに無償で提供を予定。通常は複数の金融機関を利用している場合、それぞれのインターネットバンキングにログインし、入出金情報や残高確認を行うが、同サービスにログインすることで複数口座の明細や残高をスマートフォンから確認することができ、先々の入出金予定も管理することが可能なため資金繰り管理の効率化を実現するという。