最先端プロセスで先行するTSMCに追いつきたいSamsung Electronicsだが、これまで先端プロセスで必要とするEUVを用いたロジック半導体の歩留まりが低迷しているのではないかといううわさが絶えない。
最近は11年ぶりにCTOを復活させるなど、EUVをはじめとする先端プロセスに注力する姿勢を見せているが、そんな中、台湾の半導体メディアであるDigitimesが、Samsung Foundryの8nmプロセスの製造歩留まり低迷が原因で、NVIDIAの新GPU「GeForce RTX 30シリーズ」の供給不足が引き起こしているという話を韓国半導体業界関係者の話として12月11日付けで報じている。NVIDIAが採用しているSamsungの8nmプロセスは同社の10nm FinFETプロセスの縮小版であり、EUVリソグラフィは使用していない。
GPUに関心のあるユーザーの間からは、NVIDIAが、なぜ7nm EUVプロセスを採用せず、一般的ではない8nmカスタムプロセスを採用するのか疑問視する声が出ていたが、半導体業界内部からも、EUVプロセスの製造歩留まりが低いため、NVIDIAが要求した大量供給をEUVで実現するのは難しいため、EUVを採用せずにコストを押さえようとしたのではないかという憶測がでていた。複数の海外メディアは、すでに10月の時点で、NVIDIAは、製造歩留まりが低迷しているSamsungの8nmプロセスから、生産能力に余裕ができたTSMCの7nmプロセスに乗り換える可能性があるとの憶測を出しているが、Samsungからは、この件に関して、一切のコメントは出ていない。