シスコシステムズは12月11日、プレス向けにテクノロジーラウンドテーブルを開催し、Cisco Intersightにこれから搭載する新機能ついて紹介した。
Cisco Intersightは、サーバ管理、セキュリティ設定、障害管理などが可能な、IT管理者向けのクラウドサービス。ファームウェアの更新やOSのインストールなどもできる。
Kubernetes SaaS版ソリューション IKS
このCisco Intersightに、KubernetesソリューションであるIKS(Intersight Kubernetes Service)を2021年の第一四半期に追加するという。
IKSはオープンソース「Kubernetes」に、オープンソースの各種Kubernetesファミリーをパッケージ化したもの。すでに、オンプレミス向けにCCP(CiscoContainerPlatform)は提供していたが、今回、SaaS版のIKSを追加する。
シスコシステムズ テクニカル ソリューションズ アーキテクト データセンター/バーチャライゼーション事業 吉原大補氏によれば、オンプレミスでKubernetesを利用する場合、頻繁にバージョンアップしなければならないのが課題だという。Kubernetesと各種ツールの相性も問題なり、シスコではそれをCCPというパッケージにして提供していたが、それでも月1回程度のバージョンアップが必要になるという。
「オンプレミスではバージョン管理が問題になるが、CCPではコンポーネントがパッケージで提供するため、安定したパッケージを提供できる。それでも、CCPを頻度高くアップグレードしていかなければならなかった。それを解決するのがIKSだ」(吉原氏)
当初はHyperflexのみ対応だが、将来はサードパーティのサーバやパブリッククラウドも対象にしていく。
IKSの対応ハードウェアは当初はCisco HyperFlexのみだが、将来は、サードパーティ製のサーバやパブリッククラウドにも対応する予定だという。
また、CCPではVMwareのハイパーバイザーが必要だったが、IKSでは、シスコ独自のハイパーバイザーHXAPも提供するという。
HXAPは、リリース当初はKubernetes専用となるが、将来は、汎用のハイパーバイザーになる予定だという。
「IKSが載ることにより、ベアメタルやコンテナ管理もできるようになる。仮想マシン、コンテナ、将来的にはサーバレスも管理できるようになる。そのため、Kubernetesベースのアプリの配信やDevOps環境も構築できる」
Intersightに2つの管理機能も搭載
また、運用合理化のため、Intersightに2つの管理」機能も搭載する予定だという。
1つはオープンソースを活用することによる自動化・オーケストレーション実現。具体的には、TerraFormからIntersightのAPIを利用することで、HyperFlex、サードパーティサーバ、パブリッククラウドなどのVMを作ったり、コンテナをつくったり、設定したりすることが可能になるという。
もう1つは、Cisco Intersight Workload Optimizer (IWO)で、ワークロードを最適化する機能。ワークロードの再配置、リソースの拡張・縮小、リソースの追加・停止・起動、パブリッククラウド・インスタンスのサイズ変更、データベースのサイズ変更、ストレージのTierの変更ができる。
これによりクラウド上の使っていないインスタンスを発見し、それをシャットダウンできるという。