NECは12月9日、同社のファクトリコンピュータ「FC98-NXシリーズ」として、新たなカテゴリとなる「ファンレスボックスタイプ」を開発、第1弾として2機種の発売を開始したことを発表した。
これまでFC98-NXシリーズは、デスクトップ型やラックマウント型、省スペース型などをラインアップ。社会インフラや工場・物流施設などでの機器の運用管理に活用されてきた。今回のファンレスボックスタイプは、そうした従来の使用に加え、近年ニーズが増加しているIoTデバイスの活用、ならびにものづくりなどの現場におけるAIを中心とした高負荷処理に対するデータ処理の負荷分散などに対応することを目的に開発されたもので、エッジコンピュータを実現できるファクトリコンピュータといったコンセプトが掲げられている。
ファンレス化に伴って、IP5xに準拠した防塵性を実現したほか、従来製品(省スペースタイプ)比で体積を約1/2(250.0mm×210.1mm×90.7mm)以下にすることにも成功。
オプションで無線LAN(802.11a/b/g/n/ac)、3G/LTE(NTTドコモ回線)、920MHz帯特性小電力無線の3種類の無線通信モジュールを搭載可能(mini PCIeを使用。SIMスロットはマザーボード上に用意)で、用途に応じて使い分けることが可能となっている。
NECでは、ファンレスボックスタイプについて、従来モデルの延長線上の機種ではなく、マザーボードから新たに起こし、筐体も新規設計したものとしており、ターゲット市場として、従来の工場IoT端末やクリーンルーム端末などに加えて、食品加工や農業IoT端末として半屋外の環境などでの使用にも対応できるようにしたと、新たな分野での活用にも自信を見せる。
また、5Gの普及拡大やWi-Fi技術の進歩が今後も続くことから、無線モジュールについても、同社で5GモジュールやWi-Fi 6対応モジュールなどの評価を進め、将来的に対応していきたいとしている。
なお、価格はCore i3-9100TE(2.2GHz/6MB/4コア)モデルの「A22K」が25万1000円(税別)から、Celeron G4900T(2.9GHz/2MB/2コア)モデルの「A29X」が22万①000円(同)からとなっている。