米DataRobotとソフトバンクの子会社で位置情報を活用したビッグデータ事業を手掛けるAgoop(アグープ)は12月9日、データパートナー契約を締結したと発表した。今回のパートナーシップにより、需要予測をはじめ、来店者数予測や出店時の売り上げ予測に必要なデータが不足している企業においても、Agoopが提供する人流データで高精度の予測モデルの構築が可能となり、ビジネスにおいて最適なAI(人工知能)の活用を実現することができるようになるという。また、両社の技術を活用することで、未来の人流予測を可能にする先進的な技術開発にも取り組む。なお、DataRobotがデータパートナー契約を締結するのは、今回が初めてとなる。
企業がAIを活用したプロジェクトを推進する際に、予測に必要なデータが不十分であったり、教師データはあるが、特徴量として必要なデータが不足していたりするなど、予測精度の低下や予測の説明が十分にできないという課題があった。
特に、ポストコロナ時代の消費者の劇的なライフスタイルの変化により、企業はこれまでとは異なる人口流動に直面しており、自社だけで十分なデータを確保し、高精度な需要予測を行うことは困難になっているという。そのため、企業が採用を検討しているデータの正当な価値が証明されていないことから、データを検証できずに採用を見送るケースが散見されている。
今回のデータパートナー契約の締結により、DataRobotのユーザー企業が希望すれば、DataRobotとAgoopの両社の合意の下、ユーザー企業はDataRobotのデータ共有・自動特徴量生成機能を通して、簡易にAgoopのサンプル人流データと自社データを組み合わせたAIのモデルを生成し、自社内で検証・評価することが可能になる。
人口流動データを必要とする企業は、両社による支援も受けられ、AIの活用におけるデータの定量的な価値の実証可能性を高めることができるという。
また、これらの実証を行うことで、DataRobotの導入だけでなく、AIプロジェクトに必要となるデータも併せて評価・導入することが可能。そのため、ユーザー企業は事前にサンプルデータを活用して、実業務に採用するかどうかを判断し、導入後に効率的かつ効果的にデータの活用を行うことを可能としている。
データパートナーは、DataRobotの導入検討時に自社のデータだけでは予測が不十分な企業に対して、DataRobotの検討だけでなく、導入検討企業のビジネス課題に適したさまざまなマーケットデータなどを併せて評価してもらうことを目的としたパートナーシップ。これにより、AIの導入における精度向上と費用対効果を見込むことができるという。