デル・テクノロジーズは12月9日、IDAP(Integrated Data Protection Appliance)シリーズをリブランドした次世代統合データ保護コンバージド アプライアンス「PowerProtect DP」シリーズを発表した。
「PowerProtect DP」シリーズ
「PowerProtect DP」シリーズは、バックアップ、リカバリー、レプリケーション、重複排除、クラウド対応によるDR、パブリッククラウドを活用した長期保管などの機能を提供する。
今回、リブランドし、機能強化したPowerProtect DP5900/DP8400/DP8900の3モデルを新たに提供する(中小規模または拠点・エッジ環境向けのDP4400はリブランドのみで機能強化はなし)。
DP5900は、容量96TB-288TBで中規模エンタープライズ向け、DP8400/DP8900はそれぞれ容量192TB-768TB、容量576TB-1PBで大規模エンタープライズ向けとなる。なお、容量は重複排除率を用いた論理容量。
今回、バックアップを38%、リカバリーを45%高速化し、容量効率を30%向上したという(社内テストによる)。また、 消費電力を最大23%削減した(社内分析による)。
なお、新製品の提供は12月15日からとなる。
デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長 芳澤邦彦氏は、データ保護事業の戦略について「実証されたテクノロジーと新しいニーズに対応できる最新テクノロジーを取り入れ、融合させることが基本戦略。“2S”+ “ABCD”で最小減で導入コストを実現する」と語る。
次世代のニーズの対応という面では、今回、サイバー復旧ソリューションであるPowerProtect Cyber Recovery機能をサポートする、以前のIDAPでは部分サポートであったが、今回はフルサポートになったという。
PowerProtect Data Manager機能強化
また、PowerProtect Data Managerも最新の19.6というリリースが行われ、機能強化された。
まず、マルチクラウドを強化し、AWS GovCloudに対応。また、AWS、Azure上で256TB のPowerProtect DDVEとのデプロイ・稼働をサポートし、VMware Cloud Marketplace経由でのバイナリ提供を開始した。
コンテナ環境の対応も強化され、これまでKubernetesには対応していたが、パブリッククラウドコンテナサービスの保護(AWS EKS、Azure AKS のサポート)やコンテナ化されたワークロードの保護(PostgreSQL や Cassandra データベースのエージェントレス保護)なども行われた。
そのほか、より効率的な保護データ生成と転送を実現する次世代イメージバックアップ「Transparent Snapshot」をVMwareと共同開発し、テクノロジープレビュー版も提供開始。これにより、本番環境に配置するエージェントや仮想プロキシのリソースが不要になり、バックアップ用データの「生成負荷」「データ量」「転送経路」を削減するという。
デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長 芳澤 邦彦 シニア・ビジネス・ディベロップメントマネージャー 西頼大樹氏は、「コンテナ環境など1つのDPシリーズで網羅できない機能もPowerProtect Data Managerを使うことで網羅できるように仕上げた」と語った。