TSMCが米国工場を稼働させるのに併せて、台湾の大手化学メーカーである長春集団(Chang Chun Petrochemical Group:CCPG)が、半導体製造用の高純度過酸化水素や現像液/剥離液などの化学薬液の供給に向け、米国アリゾナ州に2億ドルを投じて工場を建設すると表明したと台湾メディアの中時新聞網が報じている

TSMCは、半導体のサプライチェーンごと米国に進出しようとして素材や装置を納入しているメーカーにも米国へ進出するよう要請しているが、設備メーカーの漢唐集成(United Integrated Services)や半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手のASE Technologyなども米国に工場を建設する方向で検討を進めているという。

なお長春集団は、中国でもTSMCの南京工場向けやパネル製造企業向け化学品の需要に応えるため、高純度過酸化水素や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)現像液、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)溶剤を生産する工場の建設に向け1億8000万ドルを投資する計画としているほか、台湾の苗栗工場では、2021年6月より過酸化水素を年産3万トン規模で生産を開始する予定に加え、彰濱工場でも年産5万トンの工業用過酸化水素工場を建設する計画としており、海外からの輸入には頼らない体制づくりが進められているという。