電子母子健康手帳および遠隔健康医療相談サービスの地方自治体への2020年における導入件数は480件となる見込みであり、2025年には2020年と比べて135.4%増の1130件へと拡大するという。これは、矢野経済研究所が12月8日に発表した、国内スマートシティ市場の地方自治体におけるヘルスケアサービス導入件数予測によるもの。
日本の都市が目指しているスマートシティにおける特徴としては、「特に複数分野を横断したデータ連携を重視していること」「産学官連携していること」「当該自治体に関係の深い企業が参画していること」3点を同社は挙げる。
現在、各所でスマートシティの取り組みが実施または計画段階にあり、2020年代を通じて各都市が実装して横展開する見通しだが、分野横断型の取り組みや補助金に頼らない取り組みが進むことが、日本各地のスマートシティ化のために重要とのことだ。
電子母子健康手帳サービスは、スマートフォンなどを通じて健診結果の閲覧や子供の日々の成長記録、地域の妊娠・育児関連情報の受信などができるサービスであり、紙の母子健康手帳と併用して利用するもの。同サービスの導入自治体数はここ1~2年で大きく増加しているといい、2020年代前半も高い成長が続くと同社は予測している。
一方、遠隔健康医療相談サービスは、スマートフォンなどを用いて厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」における「遠隔健康医療相談」を提供するサービス。同サービスには、個人向け(BtoC)を中心に展開する企業と、法人・自治体向け(BtoBtoC)を中心に展開する企業がある。
遠隔健康医療相談サービスの地方自治体向けのサービス展開は、2020年はまだ勃興期にあり、導入自治体数は非常に少ないとのこと。しかし、既に参入しているベンチャー企業における導入数の増加見込みに加え、複数の大企業が新たにサービスに参入または参入準備しているなど、2020年代前半に導入自治体数は大きく増加すると同社は予測している。