日本ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は12月8日、オンプレミスのIT環境を従量課金制でサービス提供する「HPE GreenLake cloud services」の新たなサービスとパートナーシップを発表した。企業のリモートワーク対応を支援し、必要不可欠な事業継続性を提供する仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)向けに新たに発表した「HPE GreenLake cloud services for VDI」は管理、生産性向上、セキュリティとコントロール、コスト削減を実現し、リモートワークの社員に適用可能な、実証済みの技術を企業に提供し、Citrix、Nutanix、NVIDIA、VMwareなど、主要なHPEパートナーの技術も活用されている。
HPE GreenLake cloud services for VDIは、サポート対象の職務のタイプとリモートワークを行う社員数に応じて最適な組み合わせを選択でき、料金は使用量に基づいて月単位で請求される。例えば、リモートワーカーのタイプをパワーユーザー、エンジニアリングワーカー、ナレッジワーカー、タスクワーカーに分類すると、パワーユーザーは、オフィスアプリケーションをより集中的に使用するアプリ開発者などで、中程度のグラフィックス要件がある、またはマルチスクリーンを使用しているユーザー。このようなパワーユーザーは、HPE ProLiantサーバ、あるいはHPE Nimble Storage dHCIハイパーコンバージドシステムとNVIDIA Virtual PCソフトウェアが組み込まれたNVIDIA GPUを使用して、アプリケーションを展開できる。
また、エンジニアリングワーカーはCAD/CAEユーザー、金融トレーダーのように高度なグラフィックスを使用したり、データを解析したりする専門家のため、HPE ProLiantサーバあるいはHPE Nimble Storage dHCIハイパーコンバージドシステムと、NVIDIA Virtual Workstationソフトウェアが組み込まれたNVIDIA GPUを使うことで、GPUを利用したコンピューティングと、遅延を最小化するためにコンピューティングリソースの近くに配置された高性能ストレージの保存データのメリットを有する。
さらに、ナレッジワーカーはオフィス生産性アプリケーションを活用し、インターネット検索を活発に行うユーザーであることから、HPE ProLiantサーバ、HPE Nimble Storage dHCIハイパーコンバージドシステム、またはHPE SimpliVityハイパーコンバージドシステムで数十万ユーザーをサポートするように拡張を可能としている。
加えて、タスクワーカーはコールセンター担当者など、一般に高度なコンピューティング力を必要としない限定されたアプリケーションを利用するユーザーとなり、HPE ProLiantサーバあるいはHPE Nimble Storage dHCIハイパーコンバージドシステムのメリットを備えている。
同社は、新サービスを導入法をパートナーエコシステムを通じて拡大しており、CitrixのVDIを提供することに加え、VMware Horizonも選択肢に含まれている。そのほか、高負荷ワークロードの処理にNVIDIA仮想GPU(vGPU)技術を導入することもでき、Nutanixハイパーコンバージド(HCI)ソフトウェアをVDIサービスで活用する際に新サービスの利用が可能。その場合、HPE ProLiantサーバファミリーの1製品であり、Nutanixソフトウェアを装備したHPE ProLiant DXにより、インフラ管理が簡素なプライベート/ハイブリッドクラウドを構築でき、HPE GreenLake cloud servicesの柔軟な従量課金で利用することを可能としている。
新サービスはオンプレミス、エッジ、コロケーション施設いずれでも従量課金制で導入でき、デジタルトランスフォーメーションを推進するための基盤を提供し、コンピュート、コンテナ管理、データ保護、HPC、機械学習の運用、ネットワーキング、SAP HANA、ストレージ、VDI、仮想マシン(VM)を対象としている。
HPE GreenLake cloud services for VDIとしての提供開始時期はCitrix VDIソフトウェアが12月8日、NVIDIA GPU仮想化ソフトウェアが2021年3月までに提供開始を予定し、NitanixとVMware Horizonはすでに提供している。