全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は12月7日、同14日~18日の間、ANAが九州佐賀国際空港の貨物上屋に設置したオペレーション実験場、および上屋前の制限区域内の専用エリアにおいて、ANAグループが目指すSimple & Smartな空港地上支援業務の将来モデルの実証実験を行うと発表した。
今回、両社が新たに共同開発した手荷物積み付けロボットによるコンテナへの自動積み付けと、これまで実用化に向けて継続的に取り組んできた自動運転トーイングトラクターによる無人搬送の接続により、手荷物を航空機に搭載する一連の工程の自動化に取り組む。
共同開発したロボットは、新開発のロボットハンドと独自の積み付けロジックを採用し、これまで手荷物ハンドリング工程の中でも課題となっていたコンテナへの自動積み付けを可能にした、国内初の航空機向けコンテナ用手荷物積み付けロボットだという。
実証実験を通じて、手荷物積み付けロボットと特定条件下での無人搬送を接続させた際、安全性ならびにオペレーター視点での使いやすさ、作業効率向上による省力効果などを検証し、将来の本格導入に向けた課題の整理、今後の具体的な開発・業務設計につなげていく。
主な特徴として、ソフト・ハード双方のスーツケースを縦向き・横向きどちらでも積み付け可能なほか、スーツケースのサイズ情報を読取り、高効率かつ荷崩れの少ない積み付け位置を演算し、並び替えながら2つのコンテナへ同時に積み付けができる。
これまで、緊急時対応のため運転者が乗車しての自動走行だったが、今回の実証実験では運転者は乗車せず自動走行する。両社は、国土交通省による航空イノベーション推進の一環として、生産年齢人口減少に伴う労働力不足等に対応するべく、今後も連携を強化し、空港支援業務におけるSimple & Smart化の実現に向けて、新技術の開発や実用化に向けた取り組みを加速していく考えだ。