TrendForceによると、コンピュータ用ではない、コンシューマ用や通信用がカテゴライズされる特殊DRAMの2020年11月の契約価格は、大容量のDDR4については安定していたものの、低容量のDDR2/3の1/2/4Gビット品などについては、供給不足への懸念から前月比で1~3%増と上昇したという。
コンシューマ向けを中心とした特殊アプリケーション向けに低容量メモリを提供しているDRAMサプライヤは多くはなく、主にWinbond、ESMT、Etronなどの台湾の小規模メモリメーカーを中心に供給が行われている。また、11月は、韓国の2大DRAMメーカーであるSamsung ElectronicsとSK Hynixが低用量品の供給を徐々に減少させた結果、台湾サプライヤのDDR3 2Dビットチップの平均価格が前月比1%増と上昇したという。
韓国勢が供給を減少させたのと併せて、デジタルテレビやセットトップボックスなどの最終製品の需要が戻ってきていることも価格の上昇に貢献しているという。コロナ禍にともなう在宅勤務によるWi-Fiルーターや5Gインフラ関連も、低用量メモリをメインに使用するため、これらの需要の増大も価格の上昇に寄与しているという。
なお、こうした特殊DRAMの低用量品の値上がりは2021年第1四半期まで続くとTrendForceは予測している。主要なクラウドサービスプロバイダーは、2021年第1四半期以降に大規模な調達を再開する可能性が高く、これにより、大容量DRAMチップの価格も上昇する可能性があるとTrendForceは見ている。