NTTデータは12月4日、フィンランドの小型レーダー衛星会社であるICEYEと業務提携し、衛星画像ソリューションに新たに「全天候型地図情報提供サービス」を追加して販売開始すると発表した。同社は、衛星画像ソリューションについて画像販売に加えてレーダー衛星画像に関する付加価値加工を行い、2025年度末までに100億円への売上拡大を目指す。

  • ICEYEを使用した3D地図(雲仙普賢岳 平成新山)

  • レーダー衛星画像(雲仙普賢岳砂防ダムと三宅島)

新サービスでは、従来サービスが光学衛星を使用して実現していた高解像度かつ高位置精度の3D地図に加え、レーダー衛星の利用によって高頻度及び高網羅性を実現し、撮影開始から最短半日で画像の提供が可能になるという。雲が多く光学衛星では撮影が難しいという山岳エリアや赤道付近のエリアでも、最新の状況が入手可能になるとしている。

加えて、NTTデータが20年来培ってきたという衛星画像加工技術を利用し、レーダー衛星画像による地物抽出、3D地図化、差分解析などの情報提供を行う。また今後「AW3D」との組み合わせることにより、被雲が無い完全な3D地図の提供を行う予定だ。

同サービスで使用する衛星は小型ながら世界最高という50cm解像度で提供可能であり、車・船・鉄塔・建物等の詳細な情報の取得が可能。また1日複数回、日本上空を撮影可能といい、高頻度で情報取得可能なため、定常的なメンテナンス業務などでの利用が期待できるとしている。現在は3機運用中だが、2021年度には10機に増やす計画であり、より高頻度での撮影が可能になるとのこと。

同サービスの製品種別は、解像度3m・シーンサイズ50km×30mの「STRIPMAP」、解像度3m・シーンサイズ50km×30kmの「STRIPMAP HIGH」、解像度1m・シーンサイズ5m×5kmの「SPOTLIGHT」、解像度1m・シーンサイズ5m×5kmの「SPOTLIGHT HIGH」の4種類。提供単位はシーン単位。