半導体市場動向調査会社であるTrendForceが発表した2020年第3四半期のNANDメーカー各社の売上高調査によると、同四半期のNAND市場は前四半期比0.3%増の145億ドル。ビット出荷数量は同9%増と伸びたものの、平均販売価格が同9%減となったため、市場の伸びが停滞したという。
ビット出荷数量の伸びは、家電製品の需要が増加したほか、年末のピークシーズンに向けたスマートフォン需要の回復などによるもの。加えて、Huaweiが米国政府の輸出管理規制が施行される前に、可能な限りの在庫を確保しようという動きを見せたこともビット出荷数量が伸びた要因となった。一方、第2四半期をけん引したサーバおよびデータセンターセグメントは、前四半期の積極的な買いだめから、在庫調整が進んであり、その結果、NANDに対する需要の弱まりが生じ、ほとんどのNAND製品の契約価格が下落することとなったという。
2020年第4四半期(10~12月期)については、サーバセグメントのクライアント各社が在庫削減の取り組みを依然として続けていることもあり、全体的なNAND需要な低いままとなっている。また、Huaweiによる積極的な購入も沈静化しており、NAND市場全体に影響を与える供給過剰の状況を打破する状況にない。しかも、Samsung Electronicsや中YMTCなどは、今後も生産量を増やしていく方針であり、NANDの供給過剰は継続する見通しで、TrendForceでは、供給過剰に伴う価格下落が続けば、同四半期のNAND市場規模は前四半期比でマイナス成長に陥る可能性が高いとしている。