Intelの社長兼CEOのBob Swan氏が12月1日(米国時間)に開催された投資家向けイベントで、「Intelが7nmプロセスの製造をサードパーティのファウンドリにアウトソーシングするかどうかについては現在も社内で議論しており、2021年1月にその決定を下すことにしている」と従来の方針を繰り返したうえで、「今後とも7nmに投資を続け、その先の5nm、そして3nmにも投資をし、これまで通りのIDMであり続けるつもりである」と述べたと複数の海外メディアが報じている。
この報道を受けて、一部の半導体業界関係者からは、Intelは、2021年早々に7nmプロセスを採用したCPUをTSMCに製造委託するものの、自社工場での製造をあきらめることなく、オレゴン州の試作ラインにおける歩留まり向上に向けた投資を継続するのではないかとの見方が出ている。
Intelは自社開発の7nmプロセスを用いたCPUを、2021年の第4四半期までに出荷する計画としていたが、開発段階における製造歩留まりが長期にわたって低迷したままであり、結果として量産のめどが立たない状態が続いていることから、2023年まで出荷を遅らせることにしている。
競合のAMDはTSMCの最先端プロセスを駆使したCPUを次々と提供しており、市場でのシェアを伸ばしつつある。また、AppleもMacのCPUをIntel製から自社設計の「M1」に変更、TSMCの最先端プロセスである5nmで製造を行っており、最先端プロセスを利用したい半導体メーカーはTSMCに生産委託を集中させつつある。今後、こうした動きにIntelが大口の顧客として加わる可能性が強まってきたことを考えると、TSMCの業績は2020年通年で前年比3割増となる見込みだが、2021年はさらに伸びる可能性がでてきたと言えるだろう。