横浜市立大学(横浜市大)は12月2日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)からの回復者を対象に行った抗体検査の中間結果として、376例の参加データの98%に、感染6か月後でもウイルスに対する抗体が残っていること、ならびに再感染を防ぐ中和抗体も保有していることを確認したことを発表した。
同成果は、同大学術院医学群の山中竹春 教授、梁明秀 教授、後藤温 教授らの研究グループが進める「新型コロナウイルス感染症回復者専用抗体検査PROJECT」によるもの。COVID-19回復者に対し、一定期間追跡調査を行った国内最大規模のデータだという。
同プロジェクトは、開始後9月末までの約2カ月で617名の参加希望があり、今回のデータは、そのうち10月26日までに採血して検体測定を完了した376例(20~78歳)のデータを解析した結果によるもの。中等症・重症の方が、軽症や無症状に比べて、中和抗体の活性がより強い傾向にあるという結果も得られたという。
また、今回の研究で用いられた中和抗体の検出技術などを活用していくことで、ワクチンや治療薬の開発などを加速させる可能性もあるという。
なお、同プロジェクトは今後、回復から12か月後の抗ウイルス抗体および中和抗体も測定する予定で、引き続き日本における新型コロナからの回復者の抗体保有状況の解明が進められることとなる。