パナソニック コネクティッドソリューションズ社とパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、同社の顔認証技術を用いたサービスを法人展開したいパートナー企業に対し、「顔認証クラウドサービス パートナープログラム」を12月1日より提供開始する。
説明会では、パナソニック システムソリューションズ ジャパン パブリックシステム本部 システム開発本部 スマートセンシング事業センター長の新妻孝文氏が、顔認証事業の戦略について説明した。
新妻氏は、国内の顔認証市場が2025年までに2300億円に拡大するという調査結果が出ているほか、ニューノーマルに対応する中で非接触のニーズが急増していることから、顔認証によって市場のニーズに応えていくと述べた。
同社はもともと、顔認証について、モジュールやパッケージを中心に提供していたが、もっと広く利用してもらうため、クラウドサービスとして提供するためのスキームを構築した。今年7月新事業「現場センシングソリューション」の下、今年11月4日に顔認証APIエンタープライズエディションとSaaSプラットフォームの提供が発表された。
顔認証SaaSとしては、顔認証APIと連動する「点呼・勤怠」管理用アプリケーションが提供されている。このアプリを活用すれば、パートナー企業のサービスに顔認証を用いた「点呼・勤怠」サービスを組み込むことが可能。顔照合用のハードウェアを提供するパートナー企業向けには、端末用の専用アプリケーションも用意されている。
今後は、「出欠確認」「本人確認」「決済手段」「なりすまし防止」「簡易入退」のサービスのリリースが予定されている。
顔認証クラウドサービスのオープン戦略は2つのステップで構成されている。1つ目のステップは前述したSaaSプラットフォームの構築だ。2つ目のステップがパートナープログラムによる事業拡大となる。新妻氏は「パナソニックだけでは、顔認証に対するニーズに対応しきれない。パートナーの皆さんと顔認証の拡大を図っていく」と述べた。
パートナープログラムについては、パナソニック システムソリューションズ ジャパン サービスインテグレーション本部 サービス事業担当 執行役員の水野登志子氏が説明した。
パートナープログラムは、「セールスパートナー」「ソリューションパートナー」「テクノロジーパートナー」の3つのカテゴリーから構成される。セールスパートナーはパナソニックの顔認証サービス(対象は顔認証SaaSプラットフォーム)を再販もしくは販売連携する企業、ソリューションパートナーは顔認証SaaSプラットフォームを自社サービスとセットでソリューション展開する企業、テクノロジーパートナーは顔認証APIやSaaSプラットフォームを自社サービスに組み込み商品開発する企業となる。
パートナープログラムのベネフィットとしては、「APIのトライアル(無償提供)期間を最大6カ月まで延長可能」「共同マーケティング」「共創ラボの利用」などがある。共創ラボはパナソニック内にパートナー企業の試作品の開発検証(PoC)などが行える施設で、2021年度に新設が予定されている。