SEMIジャパンは11月25日、12月11日~12月18日にかけて初のオンラインでの開催となる「SEMICON Japan 2020 Virtual」に関するメディア向け概要説明会を開催。見どころなどの紹介を行った。

SEMIジャパン代表の浜島雅彦氏は、「昨年はこのような状況になるとは予想しなかった」と、現在の新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大に触れる一方、「この5月からウェビナーを何度か開催したが、毎回数百名規模の参加があり、そうしたこともあり、オンラインの力を活用した展示会を開催することを決定した」と、オンラインでの開催を決定した背景を説明した。

3本柱で構成されるSEMICON Japan 2020 Virtual

SEMICON Japan 2020 Virtualのテーマは「次代のコアになる」。この数年、スマートフォン(スマホ)の普及、AIの利用範囲の拡大などを受け、半導体はほぼすべての産業の心臓部をかたどるような存在となった。その根幹をなすのが、データの処理・蓄積・通信であり、あらゆる産業でこうしたデータの活用が進む限り、半導体産業は成長が続くため、「戦略的な半導体の時代が到来した」と浜島氏は語る。

そんなこれからの半導体を占うべく、「バーチャル展示会」、「オンラインカンファレンス」、「SMART WORKFORCE 未来COLLEGE」の3つの柱で構成される。

バーチャル展示会は、約160社の半導体製造装置や半導体材料、そして5Gや自動車などの半導体を活用するアプリケーションを手掛けるメーカーが出展を予定している。

出展社ブースは規模に応じて大中小のサイズが用意されており、各社のブランドカラーで提供される予定。チャットを通じて、各社の担当者と直接やりとりをすることで、装置の詳細などを知ることができる工夫が提供されるという。

  • SEMICON Japan 2020 Virtual

    SEMICON Japan 2020 Virtualの出展ブースのイメージ (提供:SEMIジャパン)

また、最大の見どころとされるのが80を超すカンファレンスが催されるオンラインカンファレンスである。中でも4つのキーノートは、基本的にリアルタイムでの配信によるパネルディスカッション形式を採用して実施されるものとなっており、その顔ぶれも豪華なものとなっている。

1つ目のキーノートは、元経済再生大臣で自由民主党の税制調査会長を務める甘利明氏、東京大学の五神真 総長、SEMI名誉役員で東京エレクトロン(TEL)の元会長・社長である東哲郎氏という産官学を代表する3名に、モデレータとして経済キャスターの小谷真生子氏を迎えて行われる「産官学トップ鼎談:豊かなデジタル社会構築への課題と提言」と題したオープニング記念のパネルディスカッション。2つ目のキーノートは、小谷氏が引き続きモデレータを務める形で行われる東京大学 大学院 工学系研究科の松尾豊 教授と同大大学院工学系研究科の黒田忠広 教授というAIと半導体に精通する2人による「AIが切り開く未来と技術チャレンジ」と題したパネルディスカッション。3つ目のキーノートは、SEMICON Westでも好評を得たという、半導体製造装置業界のパフォーマンスを、投資業界の立場から検討し展望するパネル討論会「Bulls and Bears」で、モデレータにOMDIAの南川明シニア コンサルティング ディレクターを迎え、ジェフリーズ証券 調査部 シニアアナリストの中名生正弘氏、野村證券 エクイティ・リサーチ部 マネージング・ディレクターの和田木哲哉氏、クレディ・スイス証券 株式調査部 マネージングディレクターの前川英之氏、JPモルガン証券 市場調査本部 株式調査部長 マネジング ディレクターの森山久史氏、UBS証券 株式調査部 Executive Directorの安井健二氏という5人のトップ証券アナリストたちが2021年の市場について議論を交わす予定となっている。

そして4つ目がグランドフィナーレとなる「グローバル半導体産業の持続的発展への課題と提言」と題したパネルディスカッション。経済レポーターの大里希世氏をモデレータに、経済産業省 商務情報政策局 局長の平井裕秀氏、ウエスタンデジタルジャパン プレジデントの小池淳義氏、JSR 取締役会長の小柴満信氏、TEL 取締役会長の常石哲男氏の4人による半導体のサプライチェーンを俯瞰する形で、それぞれの立場からの半導体業界の持続的成長やイノベーションの在り方などについて議論が交わされる予定だという。

  • SEMICON Japan 2020 Virtual
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  • 注目の4つのキーノート。いずれもパネルディスカッション形式で実施される (提供:SEMIジャパン)

3つ目の柱とされる未来COLLEGEは大学生および大学院生向け半導体業界研究イベントで、11月28日と12月13日に開催される予定となっているため、若干会期が展示ならびにカンファレンスと異なるので注意が必要。TEL、アプライド マテリアルズ(AMAT)といった半導体製造装置の大手に加え、日本テキサス・インスツルメンツやマイクロンメモリ・ジャパンといった半導体メーカーも参加する予定となっている。

会期後も期間限定でブースやカンファレンスの聴講が可能

今回はオンライン開催ということもあり、会期が終了しても2021年1月15日までという期間限定ながら、各社の展示ブースや録画されたカンファレンスの視聴がとなっている。

また、バーチャル展示会への参加は無料の来場登録をしておくだけで問題ないが、オンラインカンファレンスについては、入場のためにSEMIの会員であれば3万円(税別)、一般であれば6万円(同)のAll-in Passを購入する必要があることに注意が必要である。

なお、SEMIジャパンでは、初の試みということで、抑え目ながら2万名の来場者を見込むとしている。

  • SEMICON Japan 2020 Virtual

    バーチャル展示会とオンラインカンファレンスはオンデマンド配信として2021年1月15日まで視聴が可能 (提供:SEMIジャパン)