グーグル・クラウド・ジャパンは11月25日、オンラインでGoogle Cloudのパートナーエコシステムについて記者説明会を開催した。
Google Cloudのビジネス戦略
冒頭、グーグル・クラウド・ジャパン 上級執行役員 パートナー事業本部の石積尚幸氏は「Google Cloudのグローバルにおけるビジネス戦略は『データドリブンな経営モデル+新しい社会モデル』『IT基盤のモダナイゼーション』『ワークスタイル変革』の3点だ。当社はクラウドで高い成長を実現しており、クラウドの技術を用いてリセールするパートナー、技術自体を自社のソリューションに組み込むパートナー、大規模にインテグレーションするパートナーなど、パートナービジネスを重視している」と述べた。
続いて、同 執行役員 パートナー事業本部長の高橋正登氏は「Google Cloudの方針はパートナーファーストだ。パートナーが当社のテクノロジーを活用して、業界の課題解決に向けたソリューションを提供し、システムの構築や運用、サービスの販売を行っている。これにより、当社のサービス提供が拡大しており、エンタープライズのユーザーを獲得できている」と話す。
また、同氏はワークスタイル改革に向けて10月に発表したGoogle Workspace(旧G Suite)、chromebook、Googleのゼロトラストセキュリティである「BeyondCorp」について触れた。
高橋氏は「Google Workspaceは働く場所に依存せず、柔軟にいつでも、どこでもチームとして一体で業務を進めることができ、AIによるサポート機能を実装した便利なツール群を備え、業務が効率化される。また、メール、チャット、ビデオ会議、表計算、文書作成、コンテンツ管理など個々のサービス間の垣根をなくし、統合されたインタフェースを有しており、シンプルな操作性で直感的な業務を進めることが可能だ。一方で、GIGAスクール構想に伴いchromebookが躍進し、好評を得ている。そして、BeyondCorpはVPNを使用しない非境界型のサービスであり、市場向けに提供している。これら3つの組み合わせにより、どからでも素早くシンプルにコラボレーションが可能になり、企業のワークスタイルの改革を支援したいと考えている」と説明した。
同社では、企業に対するワークスタイル改革の支援に向けて同日にシネックスジャパン、ダイワボウ情報システムがGoogle Workspaceの認定ディストリビューターとしてパートナーに参画したことを発表している。
同氏は「当社ではパートナーと協力してエンタープライズ領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速し、企業ニーズに応えるため業界ごとのソリューションを構築・提供しており、各業界で強いモメンタムを持つことができている」と胸を張る。
アクセンチュア、NRIとの協業を強化
こうしたパートナーエコシステム強化の結果として、アクセンチュアと野村総合研究所(NRI)との取り組みが紹介された。アクセンチュアとは1月に発表した同社が提供する製薬企業向け統合プラットフォーム「INTIENT」のクラウド基盤、テクノロジープロバイダにGoogle Cloudが採用されており、ライフサイエンス組織がデータによりアクセスしやすく、安全性と価値を向上することを目的にGoogleのクラウドと各種AI機能が同社のライフサイエンスサービスとプラットフォームに導入されている。
同プラットフォームは、ライフサイエンス組織に発見、研究から臨床開発、治療法の提供までエンドツーエンドの機能を提供されており、両社は共同でビジネス推進体制であるアクセンチュア Google Cloud ビジネスグループを2018年に立ち上げ、DXを支援してきた。今回「アクセンチュア クラウド ファースト」の取り組みを通じてパートナーシップをさらに強化・拡大し、これまで以上に顧客のクラウド活用、DX実現を進めていくという。
さらに、NRIとは同社が提供する企業のクラウド活用支援サービス「atlax(アトラックス)」の領域別ソリューションとして「atlax for Google Cloud」の提供を開始。DXに関するコンサルティング、Google Cloud導入の検討支援からシステムの設計・構築・運用まで、ワンストップでの提供が可能になる。
加えて、NRIはGoogle Cloudに知見を持つエンジニアで構成する同社グループの横断組織「NRI Google Cloud Business Unit(NGBU)」を新たに設置。
atlax for Google Cloudを推進するにあたり、3年以内にGoogle Cloudの認定資格取得数が500超になる体制を整備し、顧客のDX実現を支援。NGBUにはグーグル・クラウド・ジャパンのチームも参画し、案件の共同開拓や共同提案などの営業協力を行う考えだ。